前年比10倍増 1月の政府支出 個人消費は低迷

 財務省財務総局は1月の政府支出が前年同月と比べ10倍以上に増加したと公表した。昨年下期以降、政府支出が増加している一方で、個人消費の伸び率は低迷している。
 同局のマルワント総局長は、政府支出が1月末時点で1兆ルピア以上執行されたと説明し、前年1月の千億ルピアを大幅に上回るペースと強調した。政府は年初から政府支出を前倒しして、伸び悩んでいる成長率を加速させたい考え。
 中央統計局(BPS)が5日公表した統計によると、2015年第4四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は1年ぶりに5%台に乗せた。支出別の内訳をみると、政府支出が前年同期と比べ7・31%上昇、昨年1年間の四半期別で最も高い伸びだった。
 一方で、第4四半期における個人消費の伸びは4・92%と低迷した。15年通年でみても4・96%と、14年の5・14%に比べ低迷傾向にある。
 ダルミン・ナスチオン経済調整相は、個人消費の低迷の背景には資源価格の下落があると分析。「資源輸出に依存するスマトラ島やカリマンタン島の消費が低調だった」と説明した。政府は政府支出が進めば、個人消費も次第に盛り返すと期待する。
 一部の専門家からは個人消費の低迷について、低・中所得者層の消費活動に影響が大きい食料品価格の高騰が原因と指摘。ことしも食料品価格は高止まりする傾向にあると分析し、個人消費の持ち直しには時間がかかると懸念する。
 2015年GDPの島別構成比率は、ジャワ島が58・29%と過半を占め、スマトラ島が22・21%、カリマンタン島が8・15%、スラウェシ島が5・92%だった。
 1人当たりGDPは3377ドル(4520万ルピア)、名目GDPは1京1540・8兆ルピアだった。
 5日のGDP成長率の発表を受け、インドネシアの株価は好感、前日比2%以上上昇し4798・95を付けた。(佐藤拓也)

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