【ガンプラ最前線 in インドネシア(下)】ガンプラは男女不問 愛好者増え、裾野広がる

 イファン・クシアントさん(32)がガンプラ教室を始めたのは2013年3月。初回から参加している女性がいる。同年のガンプラ・ビルダーズ・ワールドカップ(GBWC)インドネシア予選大会オープンコース(15歳以上対象)で優勝したフランシスカ・フォルトゥナタさん(25)。インドネシアで男女問わず技術レベルが上がっているのは、各地で開催されるワークショップの存在が大きい。
 フランシスカさんはイベント企画会社に勤める、ごく普通の会社員。12年のGBWC予選会場でワークショップを開いていたイファンさんに、自作を持ち込んだ。イファンさんは「一目で独自性があるとわかった」と可能性を感じ、翌年3月からの教室に誘った。
 フランシスカさんは小さい頃からタミヤ製のミニ四駆や船を作っていたが「これまでのやり方は間違っていた。教室では本当の作り方が学べる」とガンプラ制作に火がついた。工具や塗装の技術を次々に習得し、13年のGBWC予選では1位になるほど成長した。今では女子の生徒(10)に自宅や生徒宅でガンプラ作りを教えている。
 「彼女は親の理解を得て、ガンプラに集中できているが、そうはいかない場合もある。でもガンプラを作る女性は多い。想像力があって几帳面、完璧主義なところも、ガンプラ作りに向いている」
 15年のGBWC世界大会決勝戦ではジュニアコース(14歳以下)で2、3位を日本とタイの女性が受賞。もはや男性に引けをとることはなくなっている。
 裾野が広がりつつあるのはガンプラ愛好者のコミュニティーが増えているからで、技術を教えるワークショップは、小規模プラモデル店でも開かれるようになった。北ジャカルタのマンガドゥア・スクエア2階にある「ホワイトベース」では、月に1度のペースでインドネシア初のガンプラコミュニティー「ガンダム・ジェネレーション・インドネシア(GGI)」がワークショップを開催している。代表のエリックさん(30)は「初心者が多いので、楽しんでもらうことが一番の目的」と話す。
 GGIは11年に結成され、今ではジャカルタだけで四つのコミュニティーがあり、スラバヤなど各地で増え続けている。日本発のガンプラ文化がコスプレのように広がることは間違いなさそうだ。(中島昭浩、写真も、おわり)

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