【ガンプラ最前線 in インドネシア(上)】 世界王者は13歳 インドネシアから快挙2度目

 東ジャワ州スラバヤ市の中学2年生、コーネリアス・シーザー・ウィジャヤさん(13)が昨年12月20日、東京で開かれた「ガンプラ・ビルダーズ・ワールドカップ(GBWC)2015 世界大会決勝戦」ジュニアコース(14歳以下)で優勝した。インドネシア代表が世界王者となるのは12年に続く快挙だ。インドネシアに浸透するガンプラ文化。その最前線に迫った。

 ガンプラは、人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのモビルスーツ(MS、アニメ中の機体分類名称)を、プラスチック部品で組み立てる玩具。玩具大手バンダイが1980年に販売を開始し、これまでに4億4500万個(2015年3月末時点)を出荷している。近年はアニメシリーズの海外人気もあり、世界中で流通している。
 ウィジャヤさんはアニメ「ガンダムビルドファイターズ」の大ファン。通常のガンダムアニメと違い、作ったガンプラを遠隔操作で対戦させるシミュレーションゲーム「ガンプラバトル」を描いた物語で、13年に日本で放映された。インドネシアでは、ネット経由で見てガンプラを始める人が増えたという。
 世界王者になったことについて「信じられない」と話しながら、「完成まで5カ月かかった。戦闘場のケーブルが一番難しかった」と振り返る優勝作品は、アニメの一場面を切り取ったような臨場感にあふれ、13歳が作ったとは思えない完成度の作品からは高い技術がうかがえる。
 GBWC世界大会決勝戦で審査委員長を務めたバンダイホビー事業部の「ガンプラ名人」川口克己さん(54)は「コンパクトながら闘う舞台の広がりをイメージさせるベースにバランスよく配されている。躍動感あふれるガンダムのポージングは、高低差を付けたベースのレイアウトと相まって作品の魅力を高めている」と評した。
 ウィジャヤさんが初めて作ったのは8歳の時で、すでにガンプラ歴5年。確かに環境には恵まれていた。おじのデイビッドさん(37)が経営する玩具店「ユニバーサル・ホビー・スラバヤ」で開かれているワークショップに毎回参加、組み立てや塗装の技術を磨いてきた。
 ガンプラに造詣の深いデイビッドさんが師と仰ぐ人物がイファン・クシアントさん(32)。バンテン州タンゲラン県のガディン・スルポンにあるガンプラ教室「ブルブレック・スタジオ」で講師を務めている。イファンさんの生徒はインドネシア予選で毎回、優秀な成績を収める。13年にはジュニアコースとオープンコースで優勝者を輩出した。一体イファンさんとは何者なのか?(中島昭浩)  (つづく)

GBWC 
 
 バンダイホビー事業部が主催する公式のガンプラ作品コンテスト。世界大会決勝戦では、日本、中国、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、オーストラリア、北米、イタリアの計13カ国・地域で地区予選を勝ち抜いた優勝者が日本に集結し、その年の世界王者を決める。ジュニアコース(14歳以下)とオープンコース(15歳以上)の2部門がある。2011年に始まり、昨年で5回目。

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