イ日協力フォーラム発足 留学・研究経験者UIの100人集結 専門の垣根を越えて
西ジャワ州デポックにあるインドネシア大学(UI)で11日、多分野で日イ関係の相互理解を深め両国の関係強化に努める「インドネシア日本協力フォーラム」が発足した。参加者はUIで活躍する教授らが中心。日本への留学経験や、研究や客員教員として日本に滞在したことがあるなど、日本と関わりのある約100人が集まった。
同フォーラムの会長にはUIのバンバン・ウィバワルタ副学長が就任した。バンバン会長は1991年、東北大学文学部に入学。大学院卒業まで6年間在籍し、客員研究員も経験。2004〜06年には博士研究員として国際基督教大学(ICU)に在籍した。
バンバン会長によると、UIには日本研究センター(PSJ)があるほか、これまで文化や政治、経済の分野で日本に特化した研究会や学術セミナーなどを開いてきたが、それぞれの分野や学部、教授らが個々に実施しており、横のつながりが弱かったという。今回、専門分野の垣根を越えて人材を一堂に集める場として同フォーラムを発足させた。
UI法学部で国際法を教えるヒクマハント・ジュワナ教授(慶応大学博士課程修了)や工学部のヘンドリ・ブディオノ副学部長(慶応大学卒)、ウスマン・ハティブ・ワルサ元学長(神戸大学博士課程修了)らも参加している。
同フォーラムを通じて日イの技術開発の共同研究や共同プロジェクト、文化交流セミナーなどを実施し、相互理解を深め、両国にとって有益な関係構築に努める。日本から寄せられた疑問や要請などにも応えていく。日イ関係の強化を基盤に、アジアや東南アジア諸国連合(ASEAN)への貢献も視野に入れる。
バンバン会長は「情報共有や人材交流など日イの『ハブ』として活用できる場にしてきたい。話し合いだけでなく、将来的にはさまざまな分野で実際にプロジェクトなどを実現させる」と意気込みを語った。
3月には日本大使や日系企業、インドネシアの政府関係者が集まるセミナーを開く。4月にはアジア各国の大学や企業の研究者らを招いたセミナーを予定している。(毛利春香)