ウーバー摘発50台に ジャカルタ当局 「営業は違法」 会社側「許可取得済み」
配車アプリ大手の米ウーバー・テクノロジーズの営業をめぐって論争が続いている。ジャカルタ特別州運輸局は11日、ウーバーによる営業車の摘発台数が50台に達したと発表した。ウーバーは先週、当局から営業許可を取得したとする声明を発表したが、アホック知事が「いかなる許可も出した覚えはない」と全面否定し、個人が営業しているウーバーの取り締まりを徹底する姿勢を示した。地元メディアが報じた。
同州運輸局のアンドリ・ヤンシャ局長が11日に摘発台数を発表したのは、ウーバー側が出した「8日にジャカルタ特別州などから正式な許可を取得した」という声明を否定し、市民に状況を正しく伝える狙い。
ウーバーは同局からの許可以外にも、「投資調整庁(BKPM)からテクノロジー企業として認可された」と発表した。インドネシアにはすでに5千万ドルの投資をしてきたほか、他国に比べ運転手の取り分が高いことなどを強調した。
アホック知事は「BKPMから認可されたとしても、特別州における会社設立の認可プロセスを済ませなくてはならない」「その上でタクシー業者としての営業免許も取得する必要がある」と指摘し、違法営業だと強調した。
陸上運輸組合(オルガンダ)も「世間をだますために誤った情報を流している」と反発している。
配車アプリのマレーシア系競合社「グラブタクシー」が地場のエクスプレスタクシーなどと提携し配車しているのに対し、ウーバーはタクシー営業免許を持っていない個人が営業している。
警視庁はウーバーのサービスを違法と判断し、定期的に運転手を摘発。配車拠点としている東ジャカルタ・プログバンのターミナルで営業車を押収してきた。
ウーバーは現在、ジャカルタのほかにバリ州や西ジャワ州バンドンで運営しており、今後も運営車両数を増やしていく方針を示している。
米国発祥のウーバーのサービスは世界的に普及しているが、その運営手法をめぐって一部の国の関係当局と摩擦が生まれる事例が起きている。(佐藤拓也)