ASEAN共同体発足へ きょう首脳会議 南シナ海や通商焦点に

 東南アジア諸国連合(ASEAN)と日米中など18カ国が参加するASEAN関連首脳会議が21日、マレーシアで開幕する。ASEANは首脳会議でASEAN経済共同体(AEC)などを含むASEAN共同体の年内発足を宣言する。ASEAN首脳会議のほかにASEANと各国首脳による会談や、18カ国が参加する東アジア首脳会議(EAS)も開かれ、南シナ海や通商、テロに関する対策を話し合う。
 会議は2日間の日程で、ASEANは共同体の設立を宣言し、設立後10年間の指針を示す「ASEAN2025」を発表する。他に18の声明を発表する。
 国境を越えてヒト、モノ、カネ、サービスの自由化を目指す。関税撤廃以外の分野で課題は多く、ヒトの移動の自由化については熟練労働者から優先的に進めてきた。次の10年に向けた新たな柱として、8月の経済閣僚会合で合意した「分野別の統合」や「統合され、結束した経済」などを盛り込み、さらに高度化した共同体を目指す。
 21日のASEAN首脳会議に先立ち、20日に開かれた政治安全保障分野の外相会議では、麻薬取引や人身売買の根絶について協力を促進させることを確認した。
 南シナ海問題については、中国を名指しはしなかったものの、同海域における「平和と安定の維持」「航海の自由」の重要性を再確認。現在進められている開発に深刻な懸念となるとの認識を共有し、全ての当該国に自制を求めることや行動規範(COC)の早期策定に取り組むことで合意した。
 ASEAN首脳会議のほかに、ASEANは日中韓や米国、インド、ロシアなどと会談するほか、18カ国が参加する東アジア首脳会議(EAS)や、日ASEAN首脳会議など国ごとの首脳会議を開く。
 通商分野では、中国が環太平洋連携協定(TPP)に対抗して、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の早期発足を主張することが予想される。
 マレーシアの国営ブルナマ通信によると、ことしのASEAN議長国であるマレーシアのナジブ首相は17日、フィリピンのマニラで習近平国家主席と会談。習国家主席はナジブ首相に、RCEPを早期に発足したいと伝え、ナジブ首相は2016年末と時期を明言した。マレーシアはTPPの加盟国。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領もTPP参加に意欲を示している。
 ジョコウィ大統領は20日夜、クアラルンプールに到着。ASEAN首脳会議など主要会議や、ASEANビジネス投資サミットなどのサイドイベントにも参加する予定。(クアラルンプールで藤本迅、佐藤拓也、写真も、2面に関連)

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