アチェで防災の研修 HANDs アジア8カ国から青年参加

 アジア8カ国の青年らが防災教育への理解を深め、域内の防災活動の活発化を掲げるプログラム「HANDs(ハンズ)」の第1回研修が5日からアチェ州バンダアチェ市でスタートした。国際交流基金の主催。参加者25人はスマトラ沖地震・津波の博物館などを見学し、地震と津波を体験した地元の人々とも交流。8日には防災教育を行う地元非政府組織(NGO)を訪問した。

 参加者は7日、津波博物館を見学し、スマトラ沖地震・津波を経験した地元の人のヒアリング活動を実施。8日には、演劇などを通して多文化共生や防災活動などに取り組むNGOティカール・パンダンを訪問した。
 ティカール・パンダンは、地元住民向けにテレビ番組を模した寸劇での防災活動を行っている。参加者は子どもや若者にも興味を持ってもらえる防災教育の手法を学んだ。9日には各々のアイデアを持ち寄り、アチェでの経験を地元の中高生に寸劇で披露する予定だ。
 アジア地域では2011年の東日本大震災をはじめ、スマトラ島沖地震やインド洋津波など自然災害への対応が国を超えた共通課題になっている。HANDsは、アジア域内の若者がお互いに刺激し合いながら協力して、強固な防災体制をアジア域内で作っていくことを目的に昨年から開始。20年までアジア各国に計約200人の防災教育のプロフェッショナルを育成する。
 今回の参加者の背景は、インドネシアや日本、タイ、フィリピンなどアジア8カ国で防災関係の仕事に就く人や、芸術家、会社経営者など多岐にわたる。インドネシアから参加したサクティ・ビマンタさんは、広告関連の会社経営者。デザインやプロモーション方法を現地NGOの活動に生かしたいと参加した。サクティさんは「国籍だけでなく、職種が違う人々と参加すると防災に対する考え方などの違いが鮮明に分かり勉強になる。自分の広告の知識を使い、NGOからの参加者とより有益な防災プログラムを作りたい」と意気込みを語った。
 参加者は、10日にフィリピンに移動。マニラや13年の台風で深刻な被害を受けたレイテ島タクロバンなどで、復興の状況や防災教育の現場を視察する。その後は2〜3月に行われる第2回研修を経て、プログラムでの経験や、共有した知識などを元に各国でさまざまな防災活動を新たに立ち上げる。(藤本迅)

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