第2弾に市場好感 経済政策パッケージ 中銀 為替安定化へ

 政府が29日に発表した経済政策パッケージ第2弾に対し、市場は第1弾に比べると好感した。中銀は30日に第2弾を発表、為替の安定を図る政策を打ち出した。全体として第1弾より具体的と評価する声が多い一方で、短期的な景気の起爆剤につながるか、懐疑的な見方もある。
 インドネシア証券取引所(BEI)のティト・スリスト社長はパッケージ第2弾の発表を受け、地元メディアに市場では好感した買いが入ったと述べた。 
 パッケージ第1弾の発表後、多くの地元メディアは「第1弾は市場から信任を得られなかった」と指摘、具体性に欠いていたなどと評価の低い報道が目立った。第2弾発表後の30日の総合株価指数(IHSG)は前日比1・09%高の4223・91だった。ブルームバーグの対ドルレートは前日比38ルピア高の1ドル1万4652ルピアと為替、株式市場ともにやや好感した。ティト社長は「ポジティブな動きがみられたが、政府の予算執行が進まない限り長続きはしない」と指摘した。 
 29日の発表前にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領に産業界の要望を述べたインドネシア経営者協会(アピンド)のハリヤディ・スカブミ会長は「パッケージの内容は良いが、政策を即実行できるかが鍵」と指摘。政府はパッケージを実行すれば、工業団地など産業地域への投資許認可の取得期間が、従来の平均526日から3時間に短縮できると強調した。具体的には納税者番号(NPWP)取得の簡素化などを実行する。 
 インドネシア輸出業者組合(GPEI)のトト・ディガントロ組合長は、輸出代金を預金する外貨口座の税率引き下げに対し「実際のビジネスへの影響は限定的」と指摘した。 
 三菱東京UFJ銀行ジャカルタ支店の西仲崇行副支店長は、中銀が30日に第2弾でルピアの先物買いを容易にする方針などを発表したことでルピア高に動いたと分析。政策全体について「中長期的な政策」と評価し、短期的な視点では懐疑的な見方を示した。 
 30日までに発表されている第2弾の主要項目は▽減税、一時免税など税制優遇策▽製造業、林業などの許認可手続きの簡素化▽輸出入の手続き容易化▽保税区の物流拠点設立▽輸出代金を預金する外貨口座の税率引き下げ▽先物買い規制の緩和——など。(佐藤拓也)

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