市場取り壊し、再生へ 老朽化のパサール・ベンヒル

 中央ジャカルタの目抜き通り、スディルマン通りに面した伝統市場パサール・ベンヒル建て替えのため、ジャカルタ特別州政府が取り壊し作業を進めている。アホック知事は31日、同市場について「建設されてから長い期間が経ち、新しく建て替える必要がある」と話した。同日、取り壊された市場の隣にある新たな市場で店を開く店主らの姿もあった。

 パサール・ベンヒルは、州営パサールジャヤ社が管理・運営している。1974年に建設されて以来、建て替えが一度も行われず、老朽化が進んでいた。
 アホック知事によると、建て替えは同市場の刷新が目的。入居者とパサールジャヤ社との間で交わされた契約では入居期間は当初、2005年までだった。立ち退きを要請された入居者が不当だとして反対。入居者たちが13年11月にパサールジャヤ社を行政裁判所に訴えた結果、入居契約は同年末まで延長された。
 アホック知事は建て替え事業に関して「契約期間をとっくに過ぎている。市場を新しくするため、入居者には立ち退いてもらった」と話した。パサールの取り壊しは約1週間前から、重機を使うなどして始まった。
 パサール・ベンヒルからブンドゥンガン・ヒリル通りを挟み向かい側にある商店などもこの日、立て替え事業の一環で取り壊された。現場では警察官と商店主が対立する場面もあったというが、取り壊しに反対する人ばかりではない。
 パサールの入居者は、すぐ隣にある3階建ての新築施設に移り、営業を再開している。同日午後5時ごろ、西ジャワ州チルボンから届いた果物を運び込むラディー・アフマッドさん(30)に話を聞いた。ラディーさんは1カ月ほど前に以前の市場から新施設に移転した。約100人の入居者のほとんどが新施設で営業しているという。入居者とパサールジャヤ社との間で、今年から5年間の契約更新もしたという。
 ラディーさんは「私たちは違法じゃない。契約にしたがって営業を続けている。アホック知事が私たちのために新たな施設を作った。きれいな場所でたくさんの来客を期待したい」と語った。(山本康行、写真も)

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