初の内閣改造 大統領 経済閣僚4人刷新 重鎮登用で立て直し

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は12日、中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)で内閣改造人事を発表した。3調整相を含む6閣僚を交代し、1人を横滑り、5人を新たに入閣させた。内閣改造は昨年10月の政権発足後初めて。経済停滞で批判が高まっていた経済閣僚は4人を入れ替え、実績のある専門家を登用し立て直しを図る。 

 政治・法務・治安調整相には、ジョコウィ大統領の右腕ルフット・パンジャイタン首席補佐官が就任した。経済調整相にはダルミン・ナスチオン前中銀総裁、海事調整相にはリザル・ラムリ元経済調整相を充てた。
 商業相にはラフマット・ゴーベル氏に代わり、アジア通貨危機後の金融界を立て直した銀行再建庁(BPPN)のトマス・レンボン元投資資産運用管理部長が就任。内閣官房長官には闘争民主党(PDIP)のプラモノ・アヌン国会議員、国家開発計画相にはソフヤン・ジャリル経済調整相が横滑りした。
 経済閣僚には重鎮の登用が目立った。ダルミン経済調整相は中銀総裁など金融機関の要職を歴任。財政の専門家としてインフレ、ルピア安などへの対策を強化する。トマス商業相はモルガン・スタンレーなど外資系金融機関での勤務経験があり、起業家としての顔も持つ。経済政策に新風を吹き込ませることができるか注目が集まる。
 任命式は午後1時半から開催され、ジョコウィ大統領、ユスフ・カラ副大統領、PDIPのメガワティ党首らが出席。大統領は「停滞している経済は立て直しが求められており、閣僚間の連携もより緊密にしなければならない」と内閣改造の意図を説明した。

■野党から入閣なし
 今回の改造人事でPDIP所属の閣僚が5人に増えた。プラモノ内閣官房長官は、PDIPの幹事長などを歴任した党の顔。調整相では唯一留任したメガワティ党首の長女プアン・マハラニ人間・文化開発調整相のほかに、政策決定の中枢に党首の側近を送り込み、ジョコウィ氏との距離を縮めたい考えだ。
 これに対し、ジョコウィ氏はメガワティ氏と親しいスルヤ・パロ氏のナスデム党所属のテジョ前調整相を更迭。国軍の長老である側近のルフット氏を調整相に格上げし、影響力を高める。
 内閣改造をめぐり、野党からも入閣させることで政権安定化と国会運営の円滑化を図るとの観測もあったが、今回は見送られた。(藤本迅)

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