イに経営資源を集中 不動産・住宅トップ2人に聞く

 連携して西ジャワ州ブカシ県で分譲地開発を進める東急不動産ホールディングス(HD)とトヨタホーム。海外事業の経営資源をインドネシアに集中させる両社だが、総合不動産会社を傘下に持つ東急不動産HDは事業の多角化を進め、インドネシア新参のトヨタホームは分譲住宅事業に注力する。来イした両社トップにインドネシア事業の展望を聞いた。

■「裾野広がる期待」 東急不動産HD
 東急不動産HDの大隈郁仁社長は「今までの『単に作って売る』から今後は管理や仲介、リフォームまで事業の裾野が広がる」と期待する。
 東急不動産は1975年からインドネシアで分譲住宅事業を手がけてきた。2012年に東急不動産インドネシアを設立。マンションやホテルなど都市事業に注力する体制を整えた。首都圏に440億円をかけてマンションを建設する計画を発表している。
 将来的には不動産仲介の東急リバブルやマンション・ビル管理の東急コミュニティー、ホテル事業の東急ステイなどのグループ会社の事業をインドネシアでも展開していきたいと述べた。 
 大隈社長は「今までは分譲住宅事業が中心だったが、今後は資産を持ち、賃貸運営などでも稼がなければその日暮らしになる」とオフィスや商業施設の保有にも意欲を示した。戸建て分譲住宅事業についても「ノウハウはあり、需要があればやっていきたい」と述べた。
 東急不動産HDは海外事業では米国とインドネシアの2カ国に経営資源を集中させている。
 大隈社長は「今から分からない国に経営資源を分配する方がリスクは高い」と指摘。「東南アジアという経済圏で考えると、インドネシアがだめな時はベトナムやタイもだめになる。長く根を張っているインドネシアをもっと深掘りするほうが正しいと考えている」と話した。

■「分譲住宅に注力」 トヨタホーム
 トヨタホームの山科忠社長は海外事業について「まずはインドネシアで、分譲住宅の建設に注力する」と述べた。東急不動産と進める「サクラ・リージェンシー3」での分譲住宅建設は同社初の海外事業。
 「うちは戸建てでこれまでやってきた。インドネシアでもいかに戸建てでできるかだと考えている」とマンションなどではなく、まずは戸建て分譲の事業モデルをインドネシアで確立させる考えを示した。
 マレーシアやタイには他の住宅メーカーが参入しているが苦戦している。インドネシア人には戸建てを持ちたいという欲求が強く、トヨタグループが自動車で強固な基盤を持っていることもインドネシアに注力する決め手となった。
 ブカシはトヨタの工場が近く、まずはトヨタ関係者を通じて認知度を高める戦略だ。モデルハウスを訪れる人からは自動車のトヨタで信頼性を評価する声も出ているという。
 山科社長は「まずインドネシアで適度な価格で品質を確保し、応用がきくならば他国でも展開する可能性もある」と述べた。まずは首都圏に集中、1〜2年後には新たな分譲住宅事業に着手する考えを示した。(堀之内健史、写真も)

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