ビール売り上げ激減 コンビニ販売禁止で ビンタン社は20%

 4月に始まったミニマーケット(コンビニ)など小規模店舗でのアルコール飲料の販売禁止の影響で国内ビールメーカーの売り上げが激減している。国内市場に依存してきたビールメーカーは活路を見つけ出せていない。

 経済紙コンタンによると、最大シェアのビール・ビンタンを製造するマルチ・ビンタン・インドネシアの上半期の売り上げは前年同期比20.64%減の1.07兆ルピアだった。昨年の上半期は前年同期比7.45%増だったが、コンビニでの販売禁止で一気にマイナスに転じた。純利益も48.43%減少し、1795億9千万ルピアとなった。
 同社のバンバン・ビンタロ取締役は、東ジャワ州サンパン・アグンに6350億ルピアを投じて工場を建設する計画を中止したと明らかにした。生産能力を増やして、国内販売と輸出ともに強化する予定だったが、規制の施行で中止に追い込まれた。
 同社のコスマス・バトゥバラ理事長は「規制が、消費者のアルコール飲料購入を難しくした」と述べた。
 コンビニでのアルコール飲料販売禁止で大きな影響を受けたのは同社が国内のビール市場に依存しているためだ。売り上げに占めるビールの割合は90.98%。国内販売が売り上げに占める割合は97.19%だ。コスマス理事長によると、同社は事業の多角化などを検討しているが、方針は定まっていない。
 「アンカー」や「サンミゲル」を販売しジャカルタ特別州も出資するビール会社「デルタ・ジャカルタ」は上半期の売り上げは前年同期比40%減の2634億ルピアとなる見込みだ。
 ロニー販売担当取締役によると、同社は3月にノンアルコール飲料「ソダク」の生産を停止しており、売り上げの全てがアルコール飲料。売り上げに占める輸出の割合も0.03%(第1四半期)とわずかでコンビニでの販売禁止が響いた。
 23日に施行された財務大臣令で、アルコール飲料の輸入税が引き上げられたものの、ロニー取締役によると元々輸入はわずかで国内メーカーへの波及効果は期待できないという。
 インドネシア・ビール産業組合(GIMMI)幹部は「規制はインドネシアへの投資の不確実性を高めている。今までわれわれは規制について論理的な説明を受けていない」と急な規制施行に対する不満を語った。(堀之内健史)

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