輸出入許認可で収賄 貿易総局長を聴取 プリオク港の汚職 大統領が追及後押し 国家警察

 国家警察は30日、北ジャカルタ・タンジュンプリオク港での輸出入許認可に絡む贈収賄事件の参考人として、商業省対外貿易総局パルトギ・パンガリブアン総局長を聴取した。29日には商業省職員を含む3人を贈収賄などの疑いで容疑者に認定し、2人を逮捕。貨物滞留時間短縮を目指すジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の後押しを受け、国家警察は同港での許認可権限を持つ他省庁も贈収賄に関与したとして摘発する構えだ。

 容疑者に認定したのは商業省対外貿易総局の下にある中古生産財課のイマン・アルヤンタ課長と同省契約職員と仲介役の男。海外出張中のイマン課長を除く2人を27日に逮捕した。3人はタンジュンプリオク港の輸出入の許可手続きを優先的に進める見返りに企業から賄賂を受け取った疑い。資金洗浄などの疑いでも調べる。
 仲介の男は逮捕時に1万ドルを保持しており、商業省の「上司」の金であると供述しているという。
 28日に国家警察は対外貿易総局を家宅捜索。現金4万2千ドルと4千シンガポールドルのほか輸入関連の書類などを押収した。職員は現金がパルトギ総局長のものだと主張している。
 警察は対外貿易総局の組織的な収賄関与も視野に入れるほか、港湾の輸出入手続きに関わる税関や農業省など他の17省庁・機関の人物も関与していたとみて捜査を進める。
 ティト・カルナフィン警視総監によると、許認可手続きを早める目的でタンジュンプリオク港には権限がある各担当者が一カ所で作業をする事務所が設置されていたが、実際にはほとんど使われていなかった。輸入業者が認可を得るために各担当者を回る必要があったことが、汚職につながっていたとみている。
 長い滞留時間を逆手に取った犯行の摘発に至ったのは、滞留時間短縮を目指す政権の意向がある。ティト警視総監はジョコウィ大統領から許認可が遅い理由を捜査するよう指示を受けたと明らかにした。
 ジョコウィ大統領は6月に同港を視察。インドネシア最大の国際貿易港である同港の運営は国際物流競争力に直結するが、平均貨物滞留時間が5.5日とシンガポール(1日)などと比べて長い。大統領は縮まらない貨物滞留時間問題について怒りをあらわにし、担当閣僚を含めた責任者の解任をほのめかしていた。(堀之内健史)

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