内閣改造へ閣僚評価 大統領 与野党再編も視野 レバラン前後か

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は、レバラン(断食月明け大祭)前後の内閣改造も視野に入れ、閣僚評価を進めている。大統領への忠誠より党の利害を優先する与党所属閣僚の更迭を訴える声が高まる中、政権安定化を図りたい与党は野党の政権入りも模索。地方統一首長選の候補者登録を目前に控え、足並みをそろえたい野党がこれに応じ、与野党再編につながる可能性もある。
 大統領は全閣僚に6月18日に提出させた就任半年の報告書を基に評価を付け、特に効果的な経済促進策を打ち出せない経済閣僚を厳しく採点。ソフヤン・ジャリル経済調整相らに低評価の「赤」が付けられたとみられる。 
 大統領は内閣改造に直接言及していないが、与党・闘争民主党(PDIP)幹部から相次ぐ一部の閣僚への不満は看過できない状態だ。同党のチャフヨ・クモロ内相は同月29日、「ある女性の経済閣僚が大統領を露骨に批判した」と述べ、政権の足並みを乱す閣僚としてリニ・スマルノ国営企業相を示唆した。
 内閣改造の必要性を最も声高に主張し、「レバラン後」と時期に言及してきたユスフ・カラ副大統領も「大統領を軽視する発言は閣僚として不適切だ」と同調し、「相応の措置をとるべきだ」と訴えた。
 週刊誌テンポは、リニ氏らが主導し、複数の国営企業の幹部ポストに大統領支持団体の代表らを起用したことで、連立与党内で不満が高まっていると報道。ハヌラ党のフアド・バワジル氏は「業績も不明瞭な人物に役職を与えた政治的な人事」と批判した。 
 ■与野党の歩み寄りも
 昨年10月の政権発足以降、国家警察長官人事をはじめ与党幹部とジョコウィ大統領との間で不協和音が目立ってきた。PDIPのアフマッド・バサラ副幹事長は「大統領はすでに閣僚評価をメガワティ氏に伝えており、党の方針を政権に反映させている」としながらも、「政権安定化のためには与党以外からの支持も重要だ」と強調。民主党と国民信託党(PAN)の政権入りを検討するよう大統領に求めた。
 閣僚34人のうち、与党5党で分け合った政党所属者のポストは闘争民主党5、民族覚醒党(PKB)4、ナスデム党3、ハヌラ党2、開発統一党(PPP)1。
 これまでプラボウォ氏のグリンドラ党と野党連合を率いてきたPANのヤンドリ・スサント副幹事長は、「大統領から要請があれば閣僚を送り込む用意はできている」と前向きだ。「中立」維持としてきたユドヨノ前大統領の民主党は明確な態度を示していないが、5月の同党党大会にジョコウィ氏が出席するなど歩み寄りもあり、「大統領に(入閣する)党員を選んでほしい」(同党幹部)との声も出ている。(配島克彦)

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