輸送機墜落「113人」死亡 北スマトラ州メダンの住宅街

 30日正午ごろ、インドネシア空軍の輸送機C130ハーキュリーズが北スマトラ州メダン市メダン・トゥントゥンガン郡のジャミン・ギンタン・メダン通りの住宅地に墜落した。アグス・スプリアトナ空軍参謀長は地元メディアに乗組員12人のほかに兵士や兵士の家族101人の計113人が搭乗しており、「生存者はいない」との見方を示した。同機はリアウ諸島州のタンジュンピナンに向かうため、メダンのスウォンド空軍基地を離陸した直後に墜落した。

 アグス空軍参謀長によると、30日夜までに49人の遺体が確認された。在メダン日本総領事館によると、日本人の犠牲者は確認されていない。アグス空軍参謀長は墜落原因に加え、何を輸送していたかも調査すると述べた。
 地元メディアによると、C130は建設中のルコ(住宅付き店舗)に墜落。炎上し、付近の建物にも燃え広がった。現場にいた建設労働者や住民も巻き込まれたとみられている。
 空軍報道局によると、墜落機(登録番号A―1310)は午前11時48分にスウォンド空軍基地を離陸、2分後に空港から5キロの地点に墜落した。機体の不具合で同空港に引き返そうと、右に急旋回した。
 操縦していたのは空軍士官学校を2005年に卒業したサンディ・プルナマ大尉。C130の飛行の目的は各地の空軍基地への物資輸送。墜落機は29日に東ジャワ州マランのアブドゥルラフマン・サレ空軍基地からジョクジャカルタ特別州を経由し、東ジャカルタのハリム空軍基地まで飛行。30日午前にハリムからリアウ州プカンバル、同州ドゥマイの基地を経由してスウォンド空軍基地に到着していた。その後タンジュンピナンに向かう予定で、この日だけで4回目の飛行だった。
 2009年にも空軍兵士とその家族計112人を乗せたC130が東ジャワ州マゲタンで墜落、全員が死亡している。12年には中型輸送機「フォッカーF27」が、東ジャカルタのハリム空港の敷地内にある空軍関係者向け住宅に墜落、乗員7人と住民3人が死亡している。
 C130は米ロッキード・マーチン社が製造。国軍によると機体は1964年に製造された。
 C130ハーキュリーズ 米防衛大手のロッキード・マーチン社が製造する戦術輸送機。愛称は「ハーキュリーズ」。1954年の初飛行以来、今でも使用されており、最も長期的に生産・使用されている輸送機の一つに数えられる。米空軍、海軍のほか、日本を含む60カ国以上で使用されている。(堀之内健史)

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