【火焔樹】協力隊の心に残る成果 (2015年06月30日)

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 青年海外協力隊は日本のODAの一環で国際協力機構(JICA)がさまざまな職種のボランティアを海外に派遣するものだ。今インドネシアには約30人の隊員が各地で活動している。職種は環境教育やスポーツ、日本語教師、助産師、栄養士など多岐にわたる。
 私もその一人で、アイルランガ大で日本語教師を務めている。期間は2年、現地の人と同じ環境で生活し、学生の語学力が向上するよう、自分にできることは何かを模索しながら活動している。
 協力隊の活動には「これをしてください」という指示はない。配属先の要望を聞き、それを達成できるような活動内容を考え、配属先の人々と共に活動していく。しかし、文化や言葉、考え方の違いで、思うように活動できず、現地の人々の理解を得られなかったりすることも少なくない。また、2年間では何かを大きく変えることは難しいし、必ず目に見える結果を残せるわけでもない。
 そのため「自分がここにいる意味はあるのか」、「本当に役立っているのか」、日々の活動の中で自問自答を繰り返す隊員は多い。それでも、触れ合う人々の優しさや笑顔に助けられ、また少しの変化に喜びを見出し、少しでもインドネシアのためになろうと努力している。
 以前、州高校選抜の陸上選手を指導をしている隊員の活動を見に行った時、見学中に彼の教え子が話しかけてきた。「コーチが来る前は全然走れなかったけど、今は前より長く走れるし、自己ベストも更新できた。コーチのおかげだ。教えてもらえてうれしい」。これを聞き、彼の活動は間違いなく、教え子たちの心に強く刻まれていると感じた。たとえ大会で1位になれなくても、学んだことを次の世代につなげてくれるだろう。
 結果や成果は目に見えるものばかりではない。私は目に見えなくても「心に残る」というのも立派な成果と思っている。「ある日本人にこういうことを教わった」、それがいつか良い結果をもたらし、インドネシアの国づくりに役立てばと願い、隊員たちは今日も活動している。(アイルランガ大日本語教師・清水千恵)

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