屋台村からフードコートに 指導受けた露天商営業 モナス 支払いは電子マネー

 中央ジャカルタの観光地、独立記念塔(モナス)広場南側の駐車場脇にあった屋台村がフードコート「Lenggang Jakarta(ルンガン・ジャカルタ)」に生まれ変わった。商業地区整備策で州政府から支援を受け店舗を構えた元露天商たちは、新天地での商売に意気込んでいる。
■「安心営業できる」
 4月に試験開業、翌5月に正式オープンした。飲食店用が124区画、土産物や衣料品店用が200区画用意された敷地内では現在、273店がすでに営業を開始。西ジャワ州スカブミや東ジャワ州マランなど地方料理が2万〜4万ルピアで楽しめる。
 入居を果たしたプジ・ヤントさんは、営業許可が不明確な屋台村で13年間、バンドン料理ミー・コチョックを売ってきた。「(許可を取得し)これからは当局の取り締まりに遭うことなくひと安心」と満面の笑みで喜んだ。
 1店舗はガスコンロ1、2個と流し台兼調理場が設置され、店員1人が余裕を持って営業できる広さ。支払いは国営マンディリ銀の電子マネーカードに限られ、現金払いは認められない。利用者は一枚2万ルピアのカードを購入し、敷地内にはチャージ・カウンターが設置されている。
 当局の説明にもかかわらず、店頭での現金払いを求める店主が時々おり、監督担当者は「きちんと指導したのに」とため息をついていた。
■州政府「成功例に」
 5月のオープニング式典でアホック州知事は「五つ星ホテルに引けを取らない料理とサービスを、良心的な屋台価格で提供することだ」と大胆な目標を示した。
 知事代行時代の2014年6月、元の屋台村を露天商の職業訓練場に作り替える構想を発表。シェフや食の専門家が盛り付けや衛生管理などの指導に当たり、当初計画よりずれ込んだが14年末に完成にこぎ着けた。
 調理・接客では飲料メーカー大手が支援。食器も無償提供した。開店にはマンディリ銀が融資し、衛生管理には国家医薬品食料監督庁(BPOM)が監督指導に当たり、官民で後押ししている。
 出店に当たっては、露天商は州に店舗入居登録し、開設したマンディリ銀の口座に売上金が入る仕組み。賃料はないが、水道、電気、警備、清掃の実費として20%、税金10%が自動的に引かれ、70%が最終的な収入となる。
 州政府は商業地区整備を進めているが、13年に着手した中央ジャカルタ・タナアバン、ブロックGの露天商移転が不振に終わった経緯がある。ルンガン・ジャカルタ事業では、都心の有名観光地の一角を提供し職能面でも支援しており、ぜひ成功例にしたいと意気込む。営業時間は日〜月曜まで午前7時〜午後8時。土曜は午後10時まで。(中島昭浩、写真も)

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