魂を込めたイベント ギャル書道家のなちゅさん

 魂を込め、全身を使い筆を走らせる。AKBグループのSDN48のメンバーで、書道の師範免許を持つ。今年初めてインドネシアを訪れ、書道のイベントを開いて話題になり、早くも日本文化イベントなどに引っ張りだこ。「書道の魅力をインドネシアの人々にもっと知ってもらいたい」と意気込む。

■いじめあったから・・・
 小学生の時、母親に連れられて書道教室に通った。水泳なども習ったが「書道しか長続きしなかった。文字を書く時はそれだけに集中できる。心を無にできる時間が大好き」。
 中学生時代はクラスの生徒からいじめを受けた。自殺を考えるほど悩んだが、「ご飯を一緒に食べよう」とクラスの「ギャル」たちが手を差し伸べ、仲良くなった。ギャルたちを恐れていた同級生たち。それから、いじめがぱったりなくなった。「一見、怖いイメージがあるけど、いじめがあったからこそギャルの心優しさに気付いた」。大学1年生の時には、渋谷のギャルサークル「ハーク」の初代総長になり、約50人のメンバーを束ねた。今も顧問を務める。
 2009〜12年、SDN48メンバーとして活動した。当時、放送していたドラマ「マジすか学園」で、前田敦子さんらと共演。SDN解散後、書道学校に通い書道を初歩から学んだ。1日6時間以上、書道と向き合い、3年かけて師範の免許を取得した。
 師範の免許を取ってから、書道を教えたい、文化を伝えたい、披露したいという気持ちが強くなった。14年には渋谷で初の書道展を開き、今年1月に東京ドームで開かれた新日本プロレスの正月イベントで書道パフォーマンスを初披露した。

■教室でコツ伝授
 1月に初来イ。南ジャカルタのガンダリア・シティで日本の正月をテーマにしたイベントに出演し、初めてインドネシアの人々の前で書道を披露した。「迫力あるパフォーマンスと明るくて気さくな性格」にほれ込んだ司会者のリニンザ・プラディザさんから依頼を受け、今月24日、北ジャカルタのベイウォーク・モールの日本フェスティバルに参加。会場では自筆の「魂」をプリントしたTシャツや「寿」の文字をかたどったイヤリングなども販売し、書道の魅力をさまざまな形で発信した。
 また国際交流基金では、インドネシア人向けに初の本格的な書道教室を開いた。「『花火』や『愛』を書いてみて」。子どもも大人も興味津々。書き方のコツを伝授した。「みなさんやる気があって、たくさん書いてくれた」
 師範の免許を取った今でも、腕を磨くために母校の書道学校に通う。「芸能活動を辞めたとしても、書道はずっと続けていきたい」。そう心に決めている。(山本康行、写真も)

日イ関係 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly