メーデー 全国100万人超 変動制や年金改善を 最賃5年更新に反対

 メーデーの1日、インドネシア労働組合総連合(KSPI)など主要な労働組合は各地でデモ行進や集会を行い、今年7月から開始予定の年金案や、変動制の公共料金システムなどの改善要求を呼びかけた。組合側の発表によると、30州内250の県や市で100万人を超える組合員がデモに参加した。

 ジャカルタでは、各労働組合が午前10時ごろにホテル・インドネシア(HI)前に集まり、大統領宮殿(イスタナ)に向け要求内容を叫びながら行進を始めた。労組はイスタナに到着後、午後2時ごろまで周囲を練り歩き、政府に要求を呼びかけた。その後、バスに乗りブンカルノ競技場へ移動し、大規模な集会を開いた。労組の発表によると、10万人を超える組合員がジャカルタに集まった。
 労働組合総連合は政府に10の要求を提示。今年の最低賃金の上げ幅32%を主張したほか、今年から始めた変動制による電力料金や燃料の値上げが、実生活に影響を与えているとして廃止を呼びかけた。
 また、政府が検討している最終給与の25%分を年金として受け取る年金案では、退職後適正な生活を送ることができないと主張。最終給与の60〜75%まで、年金受取額の引き上げが必要と要求した。
 昨年と同様の改善案としては、最低賃金の基準となる適正生活水準(KHL)の基準を60項目から、携帯電話などを含めた84項目に増やす要望や、国営企業などで外部委託(アウトソーシング)による契約社員の即時廃止、自由な労働活動の保障や、昇級試験の簡易化による正社員・教員の増加要望などがあった。
 西ジャワ州チカランの工業団地で働くアグスさん(36)は子どもと一緒にデモ行進に参加。給料が前年から80万ルピア上がったことに一定の評価を感じるが、政府が検討している最低賃金の上げ幅を5年間固定する案に対し「(変動制の導入で)電力や燃料の価格が上昇しており、実際の生活者の目線に立っていない」と改善を求めた。
 ハニフ・ダギリ労働相は1日、メーデーを祝うイベントに参加し「最低賃金は毎年検討することが望ましいが、2年に1回の更新が現実的」と述べた。
 ユスフ・カラ副大統領は「ジャワ島内で工場の生産活動を妨害する行為や、高速道路の封鎖も見られなかった」とメーデーを祝う声明を公表した。(佐藤拓也、中島昭浩、写真も)


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