大統領 初訪日へ 3月20日過ぎをめど 安倍首相と首脳会談
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は3月下旬に日本を初訪問し、安倍晋三首相と首脳会談を行う方向で両国が調整していることが分かった。インドネシア政府消息筋によると、4月下旬には安倍首相がインドネシアを初訪問することが内定しているが、それに先だちジョコウィ大統領が戦略的パートナーの日本を初訪問することで、友好関係を確認、強化する。
ジョコウィ大統領と安倍首相は昨年11月に中国の北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に顔を合わせている。同月10日に行われた初会談では安倍首相はインドネシアを戦略的パートナーとして重要視していることを強調、同大統領が進める海洋国家構想に同じ海洋国家として協力する意向を表明している。
その際、安倍首相はジョコウィ大統領に早期訪日を要請、大統領も可能な限り早く訪問すると述べていた。2月に大統領特使として訪日したゴーベル商業相が、4月に西ジャワ州バンドン市で開催されるバンドン会議(アジア・アフリカ会議)60周年記念行事に安倍首相を正式に招待したのに対し、安倍首相は出席の意向をすでに伝えていた。この記念行事には中国や韓国など100カ国以上の首脳が招待されている。
今回のジョコウィ大統領の日本訪問はこうしたやり取りを踏まえて両国間で検討が進められていた。訪問日程は3月20日過ぎを軸に両国間で現在最終調整が続けられている。基本的には昨年の大統領就任を受けたあいさつという意味合いが強い訪問となるが、同時に実務訪問とし、両国関係の友好強化を示すことが首脳会談の主な議題になる見込みだ。
両国間ではジョコウィ新政権になって新たな懸案も生まれている。新政権は、日本政府がユドヨノ前政権との合意をもとに進めようとしていた両国の経済協力案件で、前政権と異なる方針を打ち出したという事情もあり、今後両国事務レベルで調整が必要な事項もある。
このため大統領官邸周辺によると、首脳会談の議題は固めきれておらずインドネシア外務省は作業を急いでいる。(小牧利寿)