「党裁判所」来週に判決 内紛に揺れるゴルカル党 2党首の正統性問う

 アブリザル・バクリー、アグン・ラクソノ両氏がそれぞれ党首に選出されたと主張し対立しているゴルカル党で25日、両氏の正統性を審理する「党裁判所」は口頭弁論を開き、即日結審した。来週に判決を示す。

 同党の長老で、党裁判所の裁判長を務めたムラディ元法相は地元メディアに対し「激しい口論になることも想定したが、平穏に審理を終えることができて非常にうれしい」と語った。
 結審後、アグン氏は「今週にも判決を示せるはず」として判決を急ぐよう求めたのに対し、バクリー派幹部のイドルス・マルハム氏は「我々は兄弟だ。敗者が勝者を認め、勝者が敗者に配慮すると両派で確認している」と話すなど和解を求める姿勢をみせた。バクリー氏は姿を現さなかった。
 バクリー、アグン両派はこれまで党裁判所を含めて3件の訴訟で正統性を争ってきた。アグン派は、バクリー氏が昨年12月に日程を前倒しして強行開催した党大会は無効だと中央ジャカルタ地裁と党裁判所に訴え、これに対しバクリー派は西ジャカルタ地裁に党大会の正当性の確認を求めて訴訟を起こした。
 西ジャカルタ地裁のオロアン・ハリアンジャ裁判長は24日、裁判で争う前に党内で内紛の解決を図るべきだとしてバクリー派の訴えを棄却。中央ジャカルタ地裁も同様の理由でアグン派の訴えを棄却した。政党法は政党内の紛争に関し党内で解決すると定める一方、訴訟を起こした場合は裁判所が60日以内に判決を下し、控訴は判決から30日以内と定めている。
 党裁判所は幹部4人を裁判官とし、これまで2回の口頭弁論を開いた。ただ被告側のバクリー派幹部は2回とも欠席。自派が原告側の西ジャカルタ地裁の訴訟に集中するためだと文書で説明し、口頭弁論の延期を要望した。アグン派は「党裁判所を侮辱している」などと反発を強めていた。
 ゴルカル党は昨年7月の大統領選に破れて野党転落が確定すると、アグン氏らを中心に党大会と党首選の早期実施を求める声が上がった。2015年1月の開催を主張して譲らなかったバクリー党首は一転して日程の前倒しを決定。両派の青年団が西ジャカルタ・スリピの党本部で乱闘騒ぎを起こすなど混乱を深めたが、12月に党大会を強行して再選を決めた。
 反発したアグン派が独自に党大会を開いてアグン氏を党首に選出したため、2組の党首と執行部が並立する事態が続いている。
 過去には党首選で敗れたスルヤ・パロ氏(現ナスデム党党首)が同調者を引き連れて離党した例がある。(田村隼哉)

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