コメ価格が高止まり 流通体制見直しへ 政府、安価で供給

 首都圏のコメ価格が高止まりしている。主食のコメ価格が高止まれば政権批判やインフレ率の急上昇につながりかねず、政府は食糧調達公社(ブロッグ)を通じて、市場価格より安く供給して沈静化を図る。季節要因のほか、政府は「不正に価格を操作する『コメマフィア』がいる」(ゴーベル商業相)とみて、流通体制を見直す構えだ。

 東ジャカルタ・チピナンの中央コメ市場の商人らによると、コメの価格は昨年12月までは中品質のコメ「ミディウム」の仕入れ値は1キロあたり9千ルピア以下だったが、2月に入って高騰。現在は同1万ルピア以上になっているという。
 コメ価格高騰の原因としては(1)収穫期でないため、供給が減少している(2)中間業者が価格をつり上げている―が挙げられている。
 高騰を受け商業省は先週、民間業者が所有するコメ備蓄倉庫の抜き打ち検査を実施。ジャカルタに供給するコメに別の安いコメを混ぜ、他の地域に輸送していた業者を発見した。政府はこのような不正や、価格つり上げのための買い占めにより供給量が減って価格が高止まりしているとみて、監視を強める。
 ゴーベル商業相は買い占めや不正をした業者は事業許可を取り消すと強調した。悪質な買い占めには500億ルピアまたは禁錮5年が科されるという。
 価格安定のため、ブロッグは首都圏で23日、市場価格よりも安く中品質のコメを1キロあたり7400ルピアで、高品質のコメを同9千ルピアで販売した。
 ゴーベル商業相は「コメを売りたかったら政府の価格と同じか、それ以下の価格で販売しなければならない」と価格をつり上げているとみられる業者をけん制した。また、民間企業と協力して、全国に1万4千以上あるコメ備蓄倉庫の備蓄量や流通経路などを、不正がないか監視する方針も明らかにした。さらに現在のコメ流通体制を見直すようブロッグに要請した。
 国内コメ需要は月250万〜300万トンだが、1月の収穫量は60万トン、2月は390万トン、収穫期の3月は710万トンを見込んでおり、3月には価格が下がるとみられている。(堀之内健史)

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