【JICA専門家渋滞調査】(下) 運転者は交通政策に敏感 二輪規制は一部有効

 首都の一部道路で今月から本格的に始まった二輪乗り入れ禁止規制。規制による混雑度合いの変化を調査した秋村成一郎・都市交通アドバイザーは「一部区間で有効」と評価している。
 規制が実施された通りをホテルインドネシア(HI)前ロータリー〜モナス前ロータリー=第1区間、メダン・ムルデカバラット通り(南下)=第2区間、モナス前ロータリー〜HI前ロータリー=第3区間=の3区間と朝、日中に分け、通行にかかった時間(旅行速度)を計測。実施前(2014年11月27日〜12月16日)と試験実施期間(12月17日〜15年1月17日)を比較した。
 結果、朝の第2区間は旅行速度の平均時速(計測値の二重平均平方根)が10キロ以上早くなるという顕著な変化があった。秋村さんは「メダン・ムルデカバラット通りは自動車が流入してくる脇道がほとんどなく、政策の効果が出やすい」と指摘する。
 日中第3区間も平均3.4キロ早くなったが、他の第1、第3区間に大きな変化は見られなかった。信号や流入してくる車が多いため変化が出にくいとみられる。
 州は厳格に取り締まりをしており、規制区域に二輪車は通行していない。秋村さんは「渋滞緩和や事故防止に加え、目抜き通りの見栄えを良くしたいという狙いもあるのではないか」との見方を示した。
 またタムリン通りのHI前ロータリー北側で14年11月27日から大量高速鉄道(MRT)工事にともない4車線あった北上車線数が1減、南下車線数は1増となった。
 工事前後の旅行速度を比べると、どの時間帯も車線数が減った北上車線が早くなり、増えた南下で遅くなった。秋村さんは「予想と逆の結果。理由はよく分からないが、車線数増を知って、他の道路から流入してきた可能性がある」と話している。
 一連の旅行速度計測で分かったのは、運転者が交通政策の情報に敏感に反応し、走行経路や時間帯をずらしているということ。秋村さんは今後も計測と考察を続ける方針だ。(堀之内健史、おわり)

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