日本政財界トップと会談 経済関係の一層の強化を ゴーベル商業相 

 ジョコウィ政権の閣僚の中で初めて日本を訪問しているラフマット・ゴーベル商業相は20日、東京で宮沢洋一・経済産業相、榊原定征・経団連会長らと相次ぎ会談した。一連の会談を通じて同商業相は、インドネシアと日本の経済協力関係の強化に向けた意見交換を行い、両国にとって有益な協力関係を一層強化していくことで合意した。      
                                     
■「7%成長目指す」
 午後2時半から経産省で行われた宮沢経産相との会談でゴーベル氏は、両国関係強化に対する宮沢氏らの尽力に謝意を表すとともに、ジョコウィ新政権の具体的なビジョンを説明した。ジョコウィ政権では5年先に7%の経済成長率を目指すほか、農業・漁業を振興し砂糖などの国内自給を達成したい考えを示した。
 これに対し、宮沢経産相は、日本の製品は世界でもトップクラスであることを強調し、「日本側もインドネシアの製品の付加価値向上のために協力できる」と述べた。日本側からは、インフラなどについて「両国双方にとって利益となることが重要」と強調し、インフラに限らず各分野の懸案課題について、話し合いを続けていくことで両者が合意した。

■「前向きな反応」
 榊原経団連会長との経団連での会談では、ゴーベル氏が「日本企業のさらなる投資を期待している」と強調した。
 会談に先立って訪問したトヨタ自動車などを例に挙げ、「モノづくりだけでなく、人材育成のレベルが高い日本の企業は、インドネシアでもビジネスチャンスが大きい」と話した。
 榊原会長はこの4月に経団連が大型経済使節団をインドネシアに派遣する計画を説明し、経済協力の推進に向け同国政府首脳や民間有力経済人らと意見交換をしたい旨を伝えた。
 ゴーベル氏は会談後、「すべての会談でインドネシアの提案、要望に日本側から前向きな反応があり、大変有意義なものだった」と述べた。

■福田会長らと昼食会
 日本に留学経験があり日本語を話すゴーベル氏は、インドネシア政財界の対日窓口の有力者としても知られている。この日は午前中に宮本聡・日本貿易振興機構(ジェトロ)副理事長とジェトロで会談した後、日比谷公園のレストランに姿を見せた。
 福田康夫・日本インドネシア協会会長が、ゴーベル大臣の就任祝いも兼ねて自ら席を用意し、日本のインドネシア専門家らも招いて昼食を共にした。
 席上、ゴーベル氏は、ジョコウィ政権の政策などを伝えた。これに対して福田会長はゴーベル氏の来日歓迎の意を表し、約1時間の昼食でなごやかに懇談した。福田氏は会談後、「日イ外交の基本であるダリ・ハティ・ク・ハティ(心から心へ)の精神により日イの友好関係は揺るぎなく続くと確信している」と語り、インドネシアの独立70周年に友好関係を一層発展させる意欲を表明した。

■きょう、安倍首相と会談
 ゴーベル商業相は21日にはジョコウィ大統領の特使として、安倍首相と会談する。日本の首相がインドネシアの閣僚に個別に会うのは極めて異例。(斉藤麻侑子、写真も)

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