【コムニタス】江戸舞台に73人熱演 日本語音楽劇「時代検証アプリ−」 学生劇団en塾

 日本語を学ぶインドネシア人学生のミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」は13と14の両日、中央ジャカルタのジャカルタ芸術劇場(GKJ)で、日本語ミュージカル「時代検証アプリ192」を上演した。22大学から集まった総勢73人が江戸の街を舞台にした音楽劇を披露した。

 ミュージカルは、惑星バリドゥの「時代検証アプリ」が江戸時代に送信されて、街の人々と交流するストーリー。感情を持たないアプリ「192」が江戸時代で名前を「伊國(いくに)」と変え、刀を使わない無刀流者として吉右衛門・お福夫婦の道場に転がり込む。しだいに伊國は道場の孫娘お咲と心を通わせ、さまざまな感情が芽生える。そして、火事に巻き込まれたお咲を救うため、惑星バリドゥには戻らずに自ら犠牲になる道を選ぶ。
 劇では江戸時代の道場、そば屋、寺子屋などが登場し、コミカルな歌や踊りで観客から笑いを誘った。また、火事場のシーンでは演出にスモークを使うなど趣向を凝らした。発表後は「桜よ 〜大好きな日本へ〜」と人気歌手ゴンブローが作曲した「メラプティ」をインドネシア語と日本語で披露。団員全員で歌った。伊國を演じたアガスティア・ヌガラ・ヤノタマさんは表情のないアプリ192から、人間味あふれる伊國への変化を演じきった。「緊張もあったけれど、もっといい作品を作れるよう努力したい」と話し、次回への意気込みを新たにした。
 同団が作るミュージカルは全てオリジナル。シナリオから舞台セット、衣装、音楽まで学生の手で作り上げる。劇団を指導する甲斐切清子さんによると、学生が自身の手で作ることで、社会に出ても人の役に立つことができるという。2011年度卒団員で2年連続で主役を演じたこともあるアリオ・アクダさんは仕事の合間に練習に参加。演技や歌を指導した。上演後は「みんな練習以上の実力を発揮していた」と称賛した。
 en塾の公演は初めて観たという若山美帆さん(38)は家族と友人らと訪れた。「想像以上の歌唱力に驚いた。この才能を学生の間だけで終わらせてしまうのはもったいない」と絶賛した。公演は在インドネシア日本大使館と共催。谷崎泰明大使や国際交流基金の小川忠所長らも鑑賞した。(西村百合恵、写真も)

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