「夢に向かって進もう」 JJSで進路学習会開催 仕事について講師語る

 ジャカルタ日本人学校(JJS)は3日、インドネシアで活躍する社会人講師を招いた進路学習会を開き、小学部6年生と中学部1〜3年生の計410人と保護者、教師らが聴講した。南ジャカルタのホテル・ムリアの営業部で働く鈴木茂副部長、ミュージシャンや翻訳家として活動する加藤啓明さんが登壇し、今の仕事を選んだ経緯や内容、夢を持つことの大切さを語った。

 ホテル・ムリアの鈴木さんはホテルマン歴18年。添乗員やインターコンチネンタルホテルでの勤務後、中国のホテルで10年間働き、今年3月からホテル・ムリアに勤める。中国での一番の思い出は2008年の北京オリンピックで、休み無く宿泊客を案内したエピソードに児童・生徒らが真剣に耳を傾けた。
 鈴木さんは勉強が苦手で高校を中退。人と話すこと、喜ばせることが好きでホテルマンという仕事を選んだ。「好きなことをあきらめないで。今はたくさんの人と出会ってつながりを深めてほしい」とアドバイスした。さらに大事なことを「信行学」という3文字で説明し、「自分のやりたいことを信じ、行動して、学びにしてほしい」と伝えた。
 加藤さんは9月のジャカルタ日本祭り(JJM)で司会を務めたほか、インドネシアで俳優やミュージシャンとして活動している。加藤さんは講演で、06年から1年間ジョクジャカルタのガジャマダ大学(UGM)に留学し、そこでの地震の経験を話した。地元の村をまわって物資と音楽を届けるボランティアに参加し、自分の歌で笑顔になる人を見たとき、「インドネシアでミュージシャンになる」と決めたという。
 また、廃校寸前の小学校を舞台に貧しい子どもたちが奮闘する様子を描いた映画「ラスカル・プランギ(虹の兵士たち)」の同名小説を自身が翻訳した「虹の少年たち」のエピソードから、「その日暮らしをしている子どもたちは夢という言葉さえ知らない」と話し、児童・生徒らに「夢を持つという選択肢があることに感謝して」と訴えた。
 最後にインドネシアの人気バンド・ニジのヒット曲で、自ら日本語訳した「ラスカル・プランギ」をJJSの音楽教師・原弘卓先生と歌った。
 JJSの齋藤稔校長は「子どもたちが自分の夢に向かって進んでいけるように支えていきたい」として、同会の経験を大事にしてほしいと話した。同会は進路学習の一環で、毎年インドネシアで働く社会人を講師に招いて学習会を開いている。(西村百合恵、写真も)

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