通信技術やサービス学ぶ JR東日本で研修2カ月 国鉄のアグスさんとエコさん

 JR東日本に研修生として9月に訪日した国鉄(KAI)の幹部候補生2人が、2カ月の研修を終えて27日に帰国する。通信技術やサービス向上を実地に学んだ体験を生かし、「母国での列車運行の発展に尽くしたい」と抱負を語った。研修を終えた2人に聞いた。

 研修を終えたのは、国鉄バンドン本社に勤務するアグス・アリピンさん(36)とオトニアル・エコ・パシアルソさん(34)の2人。
 アグスさんは、同社の信号通信部でジュニア・マネージャーを務めるホープ。列車運行の際に使用される信号通信や、列車の位置を特定する検知装置を学びたいと今回の研修に応募した。
 現在、ジャカルタ首都圏で列車を利用する人は1日約120万人。通勤利用者が急速に増えており車内の混雑を緩和するため、運行本数の増加が課題となっている。本数を増やすためには列車間の距離を保ち、運行の安全を保障する信号通信技術の向上が必要とアグスさんは考え、「日本の技術を実際に学ぶ」という目的で来日した。
 研修を終え「複雑ながらも適切に運用されている信号システムに驚いた」と言い、「信号設備の点検など定期的な保守管理を徹底する技術者の姿勢に感動した」とも話した。
 もう一人の研修生、エコさんは同社営業部でジュニア・マネージャーを務める。駅構内の設備やサービスを学ぶ目的で参加した。10メートル間隔で設置された分かりやすい案内表示、目の不自由な人のための音響効果や自動アナウンスなどを目の当たりにし、「利用者へのサービスが充実している点が勉強になった」という。
 また、列車を利用したツアー商品が多く販売されていることにも着想を得た。「インドネシアでも観光とセットになった乗車券を販売するなど、利用者へのサービスを導入したい。そうすることでジャカルタから地方へ向かう列車の乗客率を上げられるのでは」と、アイデアが浮かんだという。
 研修事業は、東日本鉄道文化財団がアジア諸国の鉄道に携わる若手幹部候補生を対象に人材の育成を目的として1993年から毎年実施している。14年の研修生はインドネシアのほか、ベトナム、ミャンマーなどから計11人。研修生の多くが帰国後要職に就いている。KAIからは2001年から延べ26人を受け入れている。(斉藤麻侑子、写真も)

日イ関係 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly