空港駅建設始まる 都心部と鉄道で連結へ スカルノハッタ

 ジャカルタの空の玄関口・スカルノハッタ国際空港(バンテン州タンゲラン)で、鉄道駅の建設が動き出した。2016年までに、都心からの鉄道が延びるタンゲラン市街地と空港を結ぶ。同国際空港と東ジャカルタのハリム空港とを結ぶ空港特急の建設計画もあり、利便性の向上や過密解消に期待が集まっている。

 世界空港評議会(ACI)のまとめでは、スカルノハッタ国際空港の2013年の利用者数は約6千万人で世界10位。収容能力の2200万人を大きく上回る過密が問題になっていたほか、自動車でしか空港にアクセスできず、不便だった。
 空港を管理運営する国営第2アンカサプラによると、スカルノハッタの第1と第2両滑走路の間で18日、駅舎などの基礎になる杭の打ち込み作業が始まった。7200平方メートルの敷地に、全体で3500人を収容できるプラットホームと駅ビルを建設する。駅ビルには商業施設やラウンジを備え、第1と第2、第3ターミナルが駅ビルによって結ばれる。総工費は1930億ルピア。国営建設のアディ・カルヤが建設を請け負う。
 各ターミナルを結ぶ無人運転のシャトルも設置する。ビル完成後、タンゲラン市中心部までの12キロに国鉄が線路を敷設する。
 空港特急は北ジャカルタのプルイットからタナアバン(中央ジャカルタ)、マンガライ(南ジャカルタ)などを経由してハリム空港とを結ぶ。
 スカルノハッタの過密に伴い、国営ガルーダ航空子会社のシティリンクなど一部の便はハリムへの移転を進めているが、常態化する周辺の交通渋滞などで敬遠されてていた。乗り継ぎも含めた空港間の移動が容易になれば、過密解消に向けた相乗効果を生みそうだ。
 一方、スカルノハッタでは、ライオンエアやエアアジアなど格安航空(LCC)が利用している第3ターミナルの拡張工事も進んでいる。第2アンカサプラによると、工事は来年8月に完了し、同年中に使用開始の見通し。工事が完了すれば、収容能力は年間2500万人分増加するという。第3滑走路や第4ターミナル、空港東部に商業施設の建設計画もある。
 スカルノハッタ国際空港は1985年4月に開港。第2ターミナルは91年に、第3ターミナルは09年に開設された。(道下健弘)

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