210万人が生息域に居住 マングローブ保全訴え 国家気候変動委
国家気候変動委員会(DNPI)は24日、インドネシア国内のマングローブ生息域から10キロメートル以内に、約210万人が住んでいると明らかにした。沿岸の人口増加でマングローブの保全が進まない可能性があると懸念している。
マングローブには貝やカニなど甲殻類が多く生息し、さらにエサを求めて魚が集まる。またエビの養殖などの漁場としても活用されているという。気候変動委のアグス・スパンガット能力開発課長は、魚の採り過ぎや開発によって水質が汚染され、マングローブが減少すると指摘。東カリマンタン州ではエビの養殖地の開発が失敗し、約6万ヘクタールのマングローブが被害を受けるなど、開発における管理体制が問題視されている。
インドネシアで生息するマングローブは世界の約22%で、総面積は約320万ヘクタールになる。政府はうち4万ヘクタールの修繕を年内に終える見込みで、林業省が整備を進めている。
東ジャワ州プロボリンゴ県ではマングローブを伐採したとして、沿岸に住む48歳の男が今年7月に逮捕され、24日の裁判で禁錮2年罰金20億ルピアが言い渡された。男は家庭用のまきに使おうとマングローブを伐採したという。
裁判長は沿岸部・小島管理法違反と認定し、「マングローブは災害リスクの軽減や水質汚染の改善、魚類の生息地など人々の利益につながる」と指摘した。
しかし一方で、バンカブリトゥン州東ブリトゥン県では、企業2社が10年以上にわたり違法伐採を続けているにもかかわらず、訴追されていないとの批判も出ている。