デモに同調アピール 操業停止で混乱回避

 MM2100にある日系大手製造業現地法人関係者によると、デモ隊が生産停止を要求し、抗議を扇動する「スウィーピング」をやるとの情報が入ったのは20日午前。同社は2012年、オートバイのデモ隊が敷地内に侵入したことを教訓に早めの対応を心がけ、生産への影響を最少限にとどめるよう努めた。午後1時ごろから生産を停止し、従業員を門の外へ出してデモ隊に同調することをアピール。近くの企業は門を破壊されたが、同社に被害は無かった。デモ隊が引き上げ始めた午後4時ごろからは生産を再開した。
 「21日も従業員は外に出して、デモ隊に分からないように通常と近い形でやっている。完全に操業停止しているところも多い一方、デモ隊に隠しながら生産を続けているところもあるようだ」
 チカランの自宅への帰り、デモ隊のオートバイが道をふさいでおり、大渋滞になっていた。普段は30分の帰宅に2時間かかった。デモの様子について「クラクションやマフラー音が鳴り響き、祭りのようにも見える。だが中には恐い目をしている人もおり、日本人はあまり近付かないようにしている」と話した。
 「今年のデモは先が見通せない」。13年間インドネシアで働く東ジャカルタ工業団地(EJIP)のある日系製造業関係者は頭を抱える。これまではデモが終わる日の情報があったが、今年は最賃決定がいつになるか不透明で見通せないという。
 20日にスウィーピングがあり、午前10時半から生産を全て停止している。数人のデモ隊が建物に侵入し叫んだ。デモに参加せず、自社前に座り込んでいる労働者も多かったという。土日の22、23両日に稼働して生産停止分を取り戻したいが、調達先も操業停止しており、調整に追われている。(堀之内健史)

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