福島空港で17年ぶり運航 バリ島へのチャーター便 ガルーダ航空
国営ガルーダ航空が、17年ぶりに福島空港発着のチャーター便を運航する。20日夜、インドネシア人観光客を乗せたチャーター機がジャカルタを出発し、福島空港に21日早朝、到着する。チャーター機はそのまま、主に福島県からの観光客をバリ島のデンパサールに運ぶ。同社は今後も地方空港へのチャーター便運航に取り組む。 ガルーダ航空はチャーター便にエアバス機(257人乗り)を使用。同機はバリ島のデンパサールへ到着後、3泊4日の観光を終えた日本人ツアー客を乗せ、25日早朝に福島へ戻り、今度は4日前に運んだインドネシア人観光客を乗せてジャカルタに帰着する。
福島空港発着のガルーダ航空によるバリ島へのチャーター便は、1997年以来。福島空港は2011年に起きた福島第一原発事故以来、国際便が停止状態になっていたが、福島県と空港側はなんとか再開したいという期待があり、徐々に復活している。
今回のガルーダ航空チャーター便は、旅行代理店ミュゼトラベル社(本社・東京)郡山支社が企画した。年配世代を中心に約150人が参加する。
一方、インドネシアでは近く日本へのビザが緩和されることもあり、日本旅行への関心が急速に高まっている。日本をはじめ海外へのツアーを手掛ける現地の中堅旅行会社TXトラベル社が、ガルーダからの呼びかけでチャーター便による日本ツアーを売り出した。参加するインドネシアからの旅行客は約200人。福島から富士山周辺や浅草も訪れる予定だ。
ガルーダ航空はこれまで、日本とバリ島の往復便を重視してきたが、近年はビジネス客を狙ったジャカルタ便を増強している。一方で、インドネシアの日本への旅行の関心の高まりを踏まえ、チャーター便運航にも力を入れ、12月にはJTBと組んで札幌、デンパサール、ジャカルタ間のチャーター便を飛ばす。
国土交通省は「条件さえ満たせば、外国機の乗り入れは地方の空港でも可能」と歓迎している。(斉藤麻侑子)