予算活用が課題に 燃料値上げ インフラ整備に振り分け 問われるインフレ抑制

 補助金付き燃料値上げを実施し、政権の新たな課題は、インフレ抑制と削減した補助金予算分の効率的な使用となった。広範囲にわたる物価上昇を抑え、灌漑(かんがい)や公営住宅などに投資することで安定的な経済成長を目指す。
 商業省によると、主要な食糧品の中で、赤トウガラシや鶏卵は燃料値上げ前から高騰しているが、値上げによる大幅な価格上昇は18日時点ではみられない。同省は今後を見越して流通の監視を強化する。同日、就任したばかりのジャカルタ特別州アホック知事も特別チームを立ち上げ、市場の物価監視にあたる方針を示した。
 全国から商品が集まる東ジャカルタのクラマット・ジャティ中央青果卸売市場では18日、主食であるコメの価格が2〜5%ほど上昇、赤トウガラシは18%上昇した。東ジャワ州バニュワンギからの赤トウガラシを運ぶ11トントラックの運賃は1回あたり、450万ルピアから480万ルピアと7%上がっており、急激なインフレの徴候もみられる。
 消費者心理の冷え込みで小売り業にも懸念が広がる。インドネシア小売業者協会(アプリンド)のサトリア・ハミッド副事務局長は、「2015年初頭までに全体的に10〜15%価格が上がる」と予測した。
 財務省は燃料値上げにより、今年だけで9兆5千億ルピア、来年は110兆〜140兆ルピアを削減できると見込んでおり、そのうち12兆ルピアをまず、公共事業・国民住宅省の優先事業に振り分ける。内訳は水道整備に7兆ルピア、灌漑整備に4兆ルピア、公共住宅の建設に1兆ルピア。
 バンバン財務相は徴税能力を強化するほか、電力補助金や官僚の出張、備品の購入費用などを抑えてインフラや社会保障に回すとしている。
 今年第3四半期の実質国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比で5年ぶりの低水準である5.01%だった。同相は「予算の再配分が適切に実施されれば5.8%の成長を達成できる」と自信を見せた。(堀之内健史)

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