JJCが新政権に提言書 インフラなどで貢献強調 ゴーベル商業相らに提出

 ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)は新政権への政策提言書をまとめ、ラフマット・ゴーベル商業相らにこのほど提出した。提言書は経済成長率7%を実現するため、(1)インフラ開発(2)人材育成(3)金融市場の強化で貢献できるとし、インドネシアの持続的な経済成長に協力していく姿勢を強調した。
               
▼インフラ開発
 大量高速鉄道(MRT)のように技術面と資金面の両方から貢献できると提言。ジャワ―スマトラ送電線のような大規模インフラから地方都市の上下水道などの小口設備まで支援できることを強調した。
 地熱やバイオ燃料の開発や活用でも支援できるとした。西ジャワ州の工業団地で実施しているスマートコミュニティー実証事業のように、省エネのノウハウをインドネシアと共有し、国家予算を圧迫する燃料の消費量を削減できるとした。
 また、新たな首都圏空港の準備やチマラヤ港の建設で、物流コストを減少させ、競争力をつける必要があると提案した。

▼人材育成の協力
 日本は産官学の連携を継続してきたことで、人材の育成を図り、製造業発展につながったことを説明し、インドネシア政府にも働きかける方針だ。
 民間でも製造業が工場内に大規模な人材育成センターを運営。今後、職業訓練校設置の計画もある。
 さらに、日本の高等専門学校のカリキュラムを実践する「アジア高度専門職人材ネットワーク(APEN)」の一層の活用を提言した。バンドン工科大学とダルマプルサダ大学の2校が加盟しているが、より多くの工学系大学の加盟を要請した。
 現地調達率を高め、輸入品を減少させれば貿易収支の改善につながることから、高付加価値製品を作る人材の育成強化が重要となっている。

▼金融市場の強化
 インドネシアではインフラ開発をするうえで多額の資金が必要だが、金融市場の預貸率は90%を超え、新たな資金源が不足している。銀行は短期かつ高金利の融資手段しかなく、債券・証券市場も途上のため長期かつ大型の資金供給が難しい。
 こうした現実を踏まえ提言は、固定金利の中長期融資が容易にできる仕組み作りをしていく必要があると指摘。そのために預金・債券市場の強化を図り、資金供給源を増やす指針を提示した。さらにルピアの金利・為替リスクを低減するデリバティブ(金融派生商品)市場の整備の必要性に言及した。
 具体的施策として、日本のように預金や債券に非課税制度を設け、家庭の資産を金融市場に集めることを提案。デリバティブ市場の整備では、専門家の紹介やノウハウの移転を挙げた。
 野波雅裕理事長は「ゴーベル商業相とはチマラヤ港など具体的な案件の話ができた。今後も新内閣と関係を深めていきたい」と今後の抱負を語った。(佐藤拓也)

経済 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly