スポーツタイプに注力 二輪ショー開幕、日系4社出展

 2年に1度の二輪展示会「インドネシア・モーターサイクル・ショー」が29日、中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンション・センターで開幕、日系4社が出展した。ルピア安や燃料値上げ、経済成長の減速など不安要素はあるが、販売台数は底堅く推移。各社は市場の6割を占めるスクーターに加え、高価格帯のスポーツタイプにも力を入れ始めた。       

 「売れ筋のオートマチック(スクーター)のブースと将来を見据えてスポーツタイプのブースに分けた」。国内二輪シェア6割を占めるアストラ・ホンダ・モーター(AHM)の井沼俊之社長は今年の展示の特徴を説明する。9月の同社販売台数に占めるスポーツタイプは5・8%だったが今後は伸びるとして注力する。
 井沼社長は「インドネシアは一家に1台から、2台3台保有するようになってきた。2台目以降は、より性能が良いスポーツタイプが好まれる」と市場の変化を指摘。同社は先月にはスポーツタイプ「CBR150R」を現地生産に切り替えることを発表しており、他社が先行するスポーツタイプで巻き返す姿勢を鮮明にしている。
 ヤマハは「燃費の良いスポーツタイプ」のイメージの浸透を図る。展示会でヤマハは燃費性能を改善した新興国向けエンジン「ブルーコア」を全面に押し出した。
 ヤマハ・インドネシア・モーター・マニュファクチャリングの小嶋要一郎社長は「これまでヤマハはスポーツタイプの印象が先行し、燃費性能に劣ると考えられてきた」と語る。インドネシアの消費者は二輪を選ぶ際、燃費性能を重視するようになってきたという。
 同社は今年、スポーツタイプの世界戦略車「R25」をインドネシアで生産開始。小嶋社長は「スポーツタイプの需要はまだ少ないが、今後急激に伸びることを見越した」と説明した。
 29日のスズキの新車発表で、現地法人幹部が「スズキが(二輪レース最高峰の)MotoGPに復帰します」と発表すると地元報道陣から大きな拍手が上がった。
 現法二輪販売責任者の村上元男氏は「レース復帰をきっかけにスズキブランドを一新したい」と話す。見た目や性能が重視されるスポーツタイプだけでなくブランド全体の向上を狙う。
 一方で同社が発表したのは110ccのスクーター「アドレス」。インドネシアで生産し、販売目標が年12万の主力車種にする。世界20カ国にも輸出する計画だ。
 足下の販売状況について、井沼社長は「ルピア安や政権の不透明感から都市部で販売が伸び悩んでいる」と指摘した。今年のインドネシアの二輪販売台数は昨年比3・4%増の800万台になると予想。補助金付き燃料の値上げや米国の利上げが見込まれることなどから「来年は踊り場になる可能性がある」と話した。
 展示会は来月2日まで。(堀之内健史、写真も)

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