プルバリンガ県産の椰子砂糖 ハラル取得し、販売強化 商業省や日系企業が支援

 椰子(やし)から抽出し、生産される「椰子の砂糖」の販売で、原産地の中部ジャワ州プルバリンガ県と日系企業の間で連携を強化する動きが進んでいる。同県では来年にもイスラム学者会議(MUI)から同商品のハラル認証を取得する見込みで、衛生管理など日系企業の技術支援の下、国内をはじめ、さらなる販売拡大を計画。インドネシア商業省もより高品質な商品展開を後押ししており、日イ間の官民一体となった取り組みが今後、注目を集めそうだ。

 同県内では、1万8千軒の農家が「椰子の砂糖」の生産に従事。衛生管理の優れた砂糖のみを抽出して、日本には現在、月間300キロ輸出している。
 椰子砂糖が日本で販売され始めたのは2007年から。同県と19年間の付き合いがある「富士蒲板」(本社・山口県)などが生産技術を支援したことがきっかけで、日本への輸出につながった。販売会社の一つである「厳選」(本社・香川県)の津国浩社長は「07年に販売開始後、売上は緩やかな右肩上がり」とし、安定した品質を供給できれば、さらに市場は拡大できるとみる。
 同県は砂糖に従事する農家が約3万3千人いる主産地で、これまで商業省の助成金で砂糖の乾燥機を購入するなど政府や自治体も支援してきた。
 富士蒲鉾など同県と関わりの強い日系企業も品質・衛生管理面の技術指導をしてきた経緯があり、同社の清水政志常務取締役は「欧州には月間70トン単位で輸出している。日本でも大型スーパーなどに卸すことができる品質を維持できれば、さらに販売は伸びる」と述べ、今後も、同県に進出する日系企業数社と共同で品質管理設備の導入を検討しているという。
 現在、主に四国へ輸出されているが、プルバリンガ県では日本全国への販路拡大を狙い、ハラル認証の取得を申請。来年に認可が下り次第、日本に住むインドネシア人向けの小売店などでも展開する予定だ。
 椰子の実から抽出する砂糖はカリウムや亜鉛が豊富に含まれており、高血圧や美容に効果があるとされる。(佐藤拓也)

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