「混雑、慢性的でない」 首都目抜き通り JICA専門家が調査

 大量高速鉄道(MRT)の工事が始まり、渋滞悪化が懸念されていたジャカルタのタムリン、スディルマン通りで、8〜9月の2カ月間、自動車の通行時間を計測した調査で「予想に反して慢性的な交通渋滞は起きていない」とする結果が出ている。「混雑している」と感じる平均時速15キロを下回る回数も少なく、運転者が遠回りするなど対策を講じているとみられる。
 独自に調査を実施したのは、首都圈の交通政策を支援するために国際協力機構(JICA)専門家として経済調整省に派遣されている秋村成一郎・都市交通アドバイザー。
 着任した8月からタムリン、スディルマン通りの自動車の通行時間を計測。9月に北上と南下をそれぞれ2区間に分け36回ずつ測った結果、「混雑している」と感じる目安の平均時速15キロを下回ったのは8回のみだった。
 秋村さんは青年の像があるスナヤン・ロータリーからホテルインドネシア(HI)前(第1区間)、HI前からモナスまで(第2区間)の北上と南下にかかった時間を計測。信号待ちや停車の時間も含める「旅行速度」を測った。
 9月の北上時の第1区間の平均時速(二乗平均平方根)が34.6キロ、第2区間が24.2キロ。南下時はそれぞれ27.6キロ、24.2キロだった。
 そのうち、8回が「混雑している」と感じる時速15キロ以下。1回は「かなり混雑している」と感じる時速10キロ以下だった。2010年の国交省の調査では東京都23区の人口密集地の商業地区にある一般道の混雑時の旅行速度は時速15.1キロ。それと比べると、混雑度合いが低いことが分かる。
 自動車の増加でジャカルタの渋滞は年々悪化。中でも秋村さんが調査したスディルマン、タムリン通りは最も深刻な道路の一つとして知られている。MRTの工事が始まった今年、渋滞悪化が懸念されていた。
 秋村さんは「MRT工事で渋滞が悪化するのを懸念したドライバーが時間をずらしたり、道を変えたり、自家用車から公共交通機関に乗り換えているのではないか」との仮説を立てている。MRT工事では車線幅は狭くしたものの車線数は維持しており、実際の影響以上の対策を運転者が講じたとの見方だ。
 一方、8月に比べると9月は全体的に旅行速度が遅くなった。特に第2区間については「速度低下が顕著に見られた。断食明け大祭(レバラン)があったためではないか」とみている。
 これまでジャカルタで渋滞を長期的に定点観測した統計はなかったという。旅行速度の計測は道路の混雑度合いを測る際、日本の国交省も用いる一般的な手法。秋村さんは「渋滞の定義はない。定点観測をすることで、客観的に悪化や緩和したことが分かるようになる」と調査の意義を語る。
 9月の計測時の天気は全て快晴。「深刻な混雑になっていないのは乾期だけで雨期に入ると一気に悪化する可能性がある」とみており、今後も測定と分析を続ける。(堀之内健史、写真も)

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