初閣議で「組織改革を断行」 ジョコウィ氏閣僚に指示 初登庁で施策の説明も

 ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の「勤労内閣」が始動した。中央ジャカルタの大統領宮殿(イスタナ)で27日、新閣僚34人の就任式が開かれた後、ジョコウィ氏は初の閣議を主宰、省庁の組織改革断行を呼びかけた。閣僚は各省庁に初登庁し、早くも記者会見を開くなどして職務に迅速に取り組む姿勢をアピールした。

 ジョコウィ大統領は初めて主宰する閣議で「初日からわれわれは国民のために仕事をしなければならない。(省庁の)組織の整備などで、いかなる制約があってもためらってはならない」と呼びかけた。政党幹部の閣僚には党の役職との兼務を厳禁すると改めて強調し、閣僚の任務に専念させる方針を示した。
 閣議後、閣僚は各省で職員らとあいさつを交わした。ソフヤン経済調整相は、ユドヨノ前政権から持ち越された補助金付き燃料の値上げ時期について「大統領と協議して決定する」と明言を避けたが、「補助金を生産的な分野へ振り分ける」と強調。バンバン財務相も「これから話し合う」とした。
 国営企業3社の社長3人が閣僚に登用されたことから、リニ国営企業相は後任を選出するとの方針を表明。また11月1日には、国営石油ガス・プルタミナの新社長を発表すると明らかにした。ジョコウィ氏が掲げる海洋国家の構想に沿い、国営港湾管理会社ペリンドとの連携を強化し、港湾整備を進めるとした。
 経済調整相管轄から国家官房と同列の地位となった国家開発計画庁(バペナス)のアンドリノフ長官は「分野を超え戦略的な施策を打ち出していく」と抱負を語った。
 アニス・バスウェダン文化・初等中等教育相は「教育や保健は経済分野と異なり、100日プログラムといったものは不要。省内幹部と協議して着実に取り組んでいく」と話した。

■KPK「赤信号なし」
 選挙戦以降、ジョコウィ陣営に好意的な報道を展開してきたメディアも是々非々の見解を示した。日刊紙コランテンポは「ジョコウィ内閣は特別ではない」、英字紙ジャカルタポストは「驚きの要素に欠ける」の見出しを掲げ、メガワティ氏の側近らが多数入閣したことを問題視した。
 組閣の最終段階で、ジョコウィ氏が汚職撲滅委員会(KPK)に閣僚候補の汚職関与調査を依頼したことについて、KPKのジョハン・ブディ報道官は「新内閣の中に、KPKの調査で赤信号や黄信号を付けられた閣僚はいない」と説明。一部で黄信号とされたリニ氏については「参考人として聴取したことはあるが、汚職関与が立証されたわけではない」と話した。(配島克彦)

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