歌と習字でふれあい 貧困者の学校で活動 サザンクロス、メールクワイヤー

 混声合唱団ジャカルタ・サザンクロスと男声合唱団ジャカルタ・メールクワイヤーのメンバー13人は19日、西ジャワ州ブカシ市バンタルグバン郡にある学校「アル・ファラー」で習字を教え、一緒に歌をうたった。両グループとアル・ファラーの交流は6月に続いて今回で2回目。サザンクロスの松出和男団長は「前回は絵本を通じ日本語を話すことが目的だった。今回は習字で書く楽しさを感じてほしかった」と想いを語った。   

 アル・ファラーでは、子ども26人が読み書きや算数などを学ぶ。同郡にあるごみ最終処分場スムル・バトゥなどで働く貧困層の労働者を親に持つ。正式な住所がないうえ、出生証明書や住民登録証(KTP)がなく、公立学校に通うことができない。そんな子どもたちの学習の場として地元の社会活動者が2007年に開校した。毎週土・日曜に元日本留学生のリズカ・ズライカさんらが、日本語を教えている。
 約4カ月ぶりの再会となった今回は習字と歌を一緒に行った。習字では、日本から調達した道具セットを使い、子ども1〜2人にメンバー1人が寄り添って教えた。子どもたちは自分の名前やメンバーの名前をカタカナで、漢字の場合は1文字を半紙に力いっぱい書いた。子どもたちは前回の6月以降、イラスト付き単語カードなどを使って漢字の読み方や書き方を練習してきた。これまでに25文字覚えてきたという。
 メンバーの加藤一男さんは、筆を握った子どもの手に自分の手を添え、一緒に書いた。「インドネシアで生活している間、私自身も習字をする機会がなく、久しぶりだった」。子どもたちの絵を描くような筆使いを直し、漢字を書くときに大切な「止め」「払い」などを伝えた。「少年時代に習字の授業で先生に教わった思い出がよみがえってきた」と加藤さん。最後に子どもたちが作品を読み上げ、練習の成果を披露するとメンバーから大きな拍手が送られた。
 音楽では、メンバーたちが電子ピアノやギターの音色に乗せ「Nyiur Hijau」「見上げてごらん夜の星を」「Heart to Heart」を歌った。最後は、子どもたちと「Laskar Pelangi」などで歌声を重ね、交流の時間を締めくくった。子どもたちは日本語で「あなたたちのことは忘れません」と想いを伝えた。
 松出団長は「子どもたちと交流を続けることが大切。次はどのような形でふれあえるか、考えている。来年もまた会いに来たい」と笑顔で話した。(山本康行、写真も)

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