日イ1400人がスポーツ交流 ジャパンクラブと地元チーム 首都圏各地でともに汗

 ジャカルタ日本祭り(JJM)のイベントとして恒例の親善スポーツ大会が14日、17日、20日の3日間にわたり、首都圏各地で会場を繰り広げられ、ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)運動部の各部と地元クラブチームなど約1400人が汗を流し、交流を深めた。  (道下健弘、山本康行、佐藤拓也、写真も)

新チームで挑戦

スナヤンのブンカルノ競技場のソフトボール場で幼稚園から小学2年生までの「Tボール」、3、4年生の「マイナー」、5、6年生の「メジャー」、中学生の「ジュニア」がそれぞれ地元チームと親善試合を行った。
 Tボールはチーム・ガルーダに19―21で、メジャーはインドネシア・ドリームチームに7―35、ジュニアは同部中学3年生が加わったインドネシアチームに3―6で敗れた。
 4月から新体制になったリトルリーグ部。親善試合は、それぞれのカテゴリーが日イ交流だけでなく、チームの力を試す機会でもあった。
 ジュニアの上田宏一メインコーチは試合を振り返り「選手たちは、攻撃や守備にはミスが出たものの中学3年生の先輩たちが混ざったチームと対戦し、自分たちの力を知ることができた」と話す。「1年かけてチームを作る。ミスを少なくすることで強くなれる」と期待を膨らませた。

後半パスつながるも

 スナヤンの屋外サッカーグランドで20日、ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)サッカー青年部が西ジャワ州カラワン工業団地(KIIC)管理会社の「KIICフットボールクラブ」と親善試合を行い、0―3で敗れた。
 JJCは序盤からKIICの豊富な運動量とパスワークに苦しめられ、31分にはKIICのフォワードが中央でドリブル突破、先制点を許した。ハーフタイムで1対1でのマークを徹底することを確認し合い、後半は、カウンターでの攻撃が増えた。
 KIICの攻撃の勢いは衰えず、70、79分に追加点を挙げた。JJCは無得点に終わったが、MFの加藤大世さんは「後半からリズムが少しずつ良くなり、パスが通るようになった」と振り返った。

300人が練習の成果発揮

 ジュニアサッカー部は20日、ジャカルタ日本人学校(JJS、バンテン州南タンゲラン市)で、西ジャワ州ボゴールのプトラ・ルウィリアン・サッカースクールと親善試合を行った。日イ両国の小中学生合わせて300人の選手がグラウンドでボールを追い、交流を深めた。
 試合は、小学1、2年生の所属するU9と、同3、4年生のU11、同5、6年のU13、中学1、2年生のU15の4カテゴリーに別れて実施。練習の成果を発揮しようと、張り切ってプレーする選手に、グランドに駆けつけた大勢の保護者がしきりに声援を送った。
 ジュニアサッカー部の阿部雄二郎代表は「地元チームと試合する機会は少なく、親善イベントとして貴重な機会になった」と話した。

投げや寝技に磨き

 柔道部は14日、北ジャカルタ・クラパガディン柔道場で地元の複数のクラブチームと合同稽古を行った。幼児からインドネシア代表選手まで約140人が参加。投げの打ち込みや寝技、実戦に近い乱取りなどで、技に磨きをかけた。
 投げ技の基本練習といえる打ち込みは、開始時の姿勢やスピード、反復のパターンなどを変えて、単調になりがちな練習に変化をつける方法を紹介。地元指導者にとっても指導技術を学ぶ機会になった。
 立ち技の稽古は乱取りで、ジャカルタのシニア・ジュニア選手に皆で当たり、自由に技を掛け合った。将来を嘱望される選手には、JJC部員が入れ替わり立ち代わりで稽古相手を務めたが、「少し前には胸を貸していたのが、今や胸を借りる方だ」など苦笑する部員もおり、若手の伸びを実感した様子だった。
 柔道部の安齋俊哉師範は「柔道は日本発祥の武道で唯一五輪種目になっていることもあり、日本柔道へのリスペクトは高い。部としてもインドネシア人柔道愛好家との関係を重視し、さらに門戸を広げていきたい」と話した。

仲間のすばらしさ実感

 JJC女子ゴルフ部の部員15人は17日、西ジャワ州ボゴールのジャゴラウィ・ゴルフ&カントリークラブで、同ゴルフ場の会員らインドネシア女性22人や来賓3人と交流ゴルフコンペを行った。
 同ゴルフ部の選手は白、インドネシア選手は赤のユニホームを着て、全18ホールを日イの4人の混合チームで回った。13ホール目でインドネシア人のホールインワンが飛び出し、終盤を熱く盛り上げた。
 コンペ終了後はクラブ内のレストランで料理を食べながら、物価の違いや渋滞状況など互いの国の情報などを交換。ゴルフの経験なども話し交流を深めた。
 女子ゴルフ部員からは「日イが力を合わせてゴルフができうれしかった。イベントも成功し、改めて仲間の素晴らしさを感じた」との声もあった。

学生参加で交流拡大

 ラグビー部JJRGは20日、バンテン州南タンゲランのチプタットにある国際スポーツクラブ(ISCI)で、クラブチームのジャカルタ・バンテンズと定期交流戦など複数試合を行い、親睦を深めた。
 定期戦前半、JJRGは敵陣ゴール前中央ペナルティーから素早くパスをつなぎ、寺田直樹選手が左隅に飛び込んで先制トライを挙げた。
 しかし後半、敵陣相手スクラムでボールを奪い返したが、球出しがもたつき、再びターンオーバー。整わないディフェンスラインの間を突かれ、独走トライを許した。ゴールキックも決まり5―7に逆転されると、そのままノーサイドを迎えた。
 定期戦に加え、今年は西ジャワ州ボゴールの大学生チームも参加したミニゲームや、試合後の懇親会アフターマッチファンクションでも盛り上がった。
 JJRGの鴨川康周監督は「大学チームも加わり、交流の輪が広がってきている。プレー面では来月のアジアンカップに向け、詰め切れていない部分も把握できたので、弱点を克服したい」と話した。

初回で勝負決める

 ソフトボール部は20日、スナヤンのソフトボール場で、インドネシアチームと対戦した。JJC全リーグから選抜してチームを結成し、18―6でJJCチームが勝利した。
 平均年齢31歳と若返りを図ったJJCチームは初回に打線が爆発し、一挙11得点を挙げ試合を優位に運んだ。アストラBのエース竹島選手を始め、難波江選手、佐藤選手の継投でインドネシアチームの反撃を封じた。6回に3ランホームランを放った4番の奈須雅樹選手は「(チームに加わって)3年目にして、やっとチームの期待に応えることができた」と笑顔を見せた。
 赤井繁喜部長は「点差ほど実力差はない。定期的に練習試合をし、実力を高め合っている」と話し、両チーム内で顔なじみが多く、笑顔が飛び交った。

今後は日イ混合ダブルスも

 JJCテニス部は20日、スナヤンのテニス・コートで、地元クラブチーム「プルサダ」と対戦した。試合は3―20でインドネシアチームが勝利した。今後は日イ混合ダブルスで試合を組む構想が生まれるなど、両国間の交流が深まった。試合はダブルスの1セットマッチ(デュースなし)。テニス部は3都市親善バリ・スポーツ大会で優勝した選抜メンバーで挑戦するも、昨年に続き力が及ばなかった。
 竹野昇平部長は「今後は日本対インドネシアという枠組みではなく、日本とインドネシアがペアを作り対戦する仕組みを作っていきたい」と日イ混合ダブルスを企画する方針で、さらに親睦が深まることが期待される。また、全米オープンで準優勝した錦織圭選手などの話題で盛り上がった。

白熱したデュース展開

 バレーボールの親善試合は20日、スナヤンのバレーボール・コートで開催された。西ジャワ州のカラワン工業団地(KIIC)内のバレーボール競技のトーナメント優勝チーム、準優勝チームと3チーム総当たり戦で複数試合を行った。
 男子は優勝チームのトヨタ、準優勝のカワイと対戦。熱戦を繰り広げた。3チームともアタックを決め合い、白熱した試合展開を見せた。最終試合のトヨタ対カワイは33―35と息を飲むデュースが繰り広げられた。女子は優勝チームのカワイ、準優勝チームのイハラと対戦し、交流を深めた。インドネシアチームはいずれも若々しいプレーを見せ、会場を和ませた。

いざ世界大会へ

 剣道部(ジャカルタ剣友会)はJJSの体育館で、他競技に先駆け14日にインドネシア剣道連盟(IKA)と大会を開催した。
 大会には西ジャワ州バンドンや東ジャワ州スラバヤだけでなくマレーシアやシンガポールからも剣士が参加し、約120人が竹刀を交えた。
 IKAは今年5月に国際剣道連盟への加盟を果たし、来年5月に日本で開かれる第16回世界剣道選手権大会への出場資格を得た。今回の大会も選手選考に影響するとあってイ人剣士が懸命に戦う姿が目立った。
 ジャカルタ剣友会で七段の段位を持つ河西勝会長(44)は「インドネシアの剣士の技術水準は向上しているが、世界レベルではまだまだ。一層頑張ってもらいたい」とエールを送った。

大村指導員来イ、7年ぶり

 空手道部は14日、日イの空手経験者らともにJJS小学部体育館で、7年ぶりに来イした日本空手協会の大村藤清海外指導員から稽古における心構えなどを聞いた。
 同体育館には、JJC柔道部約50人と、インドネシアからはジャカルタやボゴールの空手経験者80人を含む計130人が大村指導員の「稽古」に耳を傾けた。
 大村指導員は空手の考え方や体の使い方などの理論を講義。空手道部の市原和雄さんは「大村指導員の稽古に参加者を募ったところ約千人から応募があった」とインドネシアの空手人気を実感した。
 全国大会でも上位に食い込む参加者は「非常に勉強になった」と大村指導員からの稽古を一つ一つ心に留めていた。

男子ダブルスは日本が優勝

 バドミントン部は14日、スナヤンのバドミントン屋内競技場で、地元クラブチーム「メガビンタン」と親善試合を行った。同競技を国民的スポーツとするインドネシアで地元選手を相手に日本人選手も奮闘し、男子ダブルスのトーナメントでは日本人組が優勝を手にした。
 日本側約35人、インドネシア側約25人が参加した。団体戦は日イ両国混成チームを編成して交流を重視した一方、ダブルスのトーナメントは両国の選手が真剣勝負を展開。第1シード同士の対戦になった決勝は熱戦の末に中川拓也、野口朋也両選手の組が制した。野口選手は疲労で両足がつるなかでの戦い。見応えのある試合内容に、両チームの声援にも力が入った。
 高田直宏部長は「交流を深めるのが目的だが、やはり毎年やられっぱなしで、勝ちたいとの思いはあった。今回たまたま優勝できたが他の上位はインドネシア人が独占し、実力差は明白だ。今後も胸を借りるつもりで腕を磨きたい」と話した。

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