専用ゲートを閉鎖へ 出稼ぎ労働者への恐喝 スカルノハッタ第3ターミナル

 スカルノハッタ国際空港に帰国したインドネシア人出稼ぎ労働者らが、空港関係者などから不当に金銭を脅し取られている事件を受け、出稼ぎ労働者専用ゲートが来月1日、閉鎖されることが分かった。専用ゲートを通る帰国者が狙い打ちされていたため、国営空港管理第2アンカサプラや税関など16機関が合意したという。汚職撲滅委員会(KPK)が10日、明らかにした。(西村百合恵)

 同空港第3ターミナルでは事件発覚後も、旅行業者や両替商を装った犯行グループが、外国紙幣を多く持って帰国する出稼ぎ労働者を狙って不当に金銭を脅し取る問題が起きている。これまでの犯行では、民間人のほか出入国管理当局者や警備員なども含めた複数人が出稼ぎ労働者らに不当な金額の両替を要求し、出入国審査の手数料をだまし取っていたことが判明している。
 KPKのバンバン副委員長は10日、出稼ぎ労働者らは出入国の際に政府が海外出稼ぎ労働者向けに発行する身分証明カード「KTKLN」などの書類が必要で、専用ゲートを通らなければならず、ゲート周辺で被害が集中し、後を絶たなかったと説明した。
 7月末に逮捕した18人の犯行グループの中に警察官や陸軍兵士が関与していたこともあり、KPKが関係機関にゲート閉鎖の検討を促し、警察や労働者派遣保護庁(BNP2TKI)などが閉鎖を決めた。
 第2アンカサプラは出稼ぎ労働者を守るために、交通インフラや空港の警備システムなど約40項目の改善計画を策定。大幅な改善が必要だとして、今年中に具体的な対策を実行したい考えだ。
 KPKのアブラハム・サマッド委員長は、ゲートの閉鎖を推奨する一方で、身分証カード発行の待ち時間が長く、この間に被害が発生している問題点も指摘。手続きの簡素化を求めた。サマッド委員長は「出入国の手続きを知らない出稼ぎ労働者が詐欺や脅迫に遭っている。情報が少ないのではないか」とも話した。
 中部ジャワ州トゥガル県の女性はマレーシアから一時帰国した際、見知らぬ女性から出稼ぎ労働者は別の出口に行く必要があると諭され、その後、空港職員だと名乗る複数の男性に不当な金額で両替や手数料の支払いを強いられたという。

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