【じゃらん じゃらん】 隠れた「白砂」ビーチ バリ東海岸

   バリ島東海岸のビーチリゾートとして有名なチャンディダサから更に北東へ約5キロ、道路から細道に入ってしばらく下るとホワイトサンド・ビーチ、もしくはバージン・ビーチとして知られる一角に出る。両端を丘で挟まれた500メートルほどのビーチは緩やかな弧を描き、パラソルの向こうにはヤシの木々が高く伸びていた。

 ビーチに通じる道の入り口には小さな手書きの看板があるだけで、注意深く道路の左側を見ていないと見過ごしてしまいそうだ。ここから目的地までは1キロ。途中からぼこぼこの泥道になり、この先に本当にビーチがあるのかと思えてくる。
 ほどなくして木々の間から真っ青な海が見えてきた。ここまで来ると海の青さが違う。前が開けてヤシの木が点々とする広い駐車スペースに出た。車は数台留まっているだけだ。
 ビーチには茅葺屋根の売店や飲食店が軒を連ね、その前にカラフルなパラソルが並んでいた。いかにも観光地のビーチという光景だが、人の姿はまばらで、バリのビーチにありがちな軽快な音楽も聞こえてこない。
 売店に座っていた地元のプラシ村に住むワヤンさんが話した。「これでも3、4年前までほとんど何もなかった。人が滅多に来ない知る人ぞ知るという場所だったが、ぽつりとぽつりと観光客がやってくるようになってからカフェやボートを貸し出す店が出てきたんだ」。
 訪れるのはもっぱら西洋人でインドネシア人の姿は見たことがないという。いずれアクセス路が全て舗装され、きちんとした看板が主要道路脇に掲げられれば人が大勢やってくるだろう。ワヤンさんはそうなる日を心待ちにしている。
 お昼を食べることにした。最初の店で焼き魚はあるかと尋ねると奥から冷凍のタイを持ってきたので遠慮して隣の店に。こちらの店でには新鮮なハタがあった。そばの沖で地元の漁師が獲ったばかりというエビもあった。
 波打ち際で遊ぶ幼い子どもたちが歓声を上げていた。海は穏やかで底は砂地。東海岸のビーチは岩場だったり、サンゴがあったりと海水浴に適していないところも多いが、ここは足元を心配することなく海水浴が楽しめる。沖に浮かぶ小さな無人島周辺はダイビングやスノーケリングのスポット。売店で用具やジュクンと呼ばれるアウトリガーの付いた釣り船を借りることができる。
 かつては「隠れビーチ」とも呼ばれた場所。その面影を残す今のうちにいっておいたほうがいいかもしれない。(北井香織、写真も)

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