訪日ビザ、一部を緩和 日本政府 IC旅券保有が条件 時期未定、残念の声

 日本政府は17日、インドネシア人を対象にビザ(査証)緩和措置を導入すると発表した。IC旅券(パスポート)の所持者を対象に、事前登録すればビザ申請手続きが簡素化される。しかし、導入時期や事前登録の要件は定まっていない。緩和も一部で詳細を詰めないままの発表に、期待外れの声も出ている。 
 日本政府は閣僚会議で、訪日外国人客数を2倍の年間2千万人に増やす目標を掲げている。
 在インドネシア日本大使館によると、今回の一部緩和では、IC旅券を保有した15日以内の滞在目的のインドネシア人が日本の公館で「事前登録」を済ませると、ビザ申請手続きが簡素化される。事前登録費は無料。その後は再度、ビザ取得の必要が無くなる利点があるという。
 しかし、インドネシアの出入国管理局が2011年から導入したIC旅券は、13年、1万7808件を発給。全体的にはまだ保有者が少なく、日本への観光客増に結びつくか不確実な部分が大きい。しかも、事前登録の導入時期や必要書類の詳細は決定していない。
 日本の外務省外国人課は「ビザ免除に向けた取り組みの一環。緩和措置の効果はこれから明らかになる」と説明している。
 在東京インドネシア外交筋は本紙に対し、「年内実現に努力するが、内容を詰めるのはこれから」と話した。外交の基本に相互主義があるので、日本人訪イ者へのビザ緩和も詰める必要があるとし、政府間で調整を図っていく方針という。
 日本政府観光局(JNTO)ジャカルタ事務所の石崎雄久所長は「緩和措置が導入されれば観光のリピーター増加につながる可能性がある」ととらえる。
 昨年6月に実施したタイ人とマレーシア人へのビザ免除では両国の訪日観光客が急増している。
 日本政府はインドネシア人を対象に、12年から数次ビザ発給、13年には滞在期間を15日から30日に延長している。(小塩航大)
 
◇ビザ取得に4日間も
 現状のビザ取得は、インドネシア人が日本の在外公館へ行き必要な書類(銀行の予算残高や航空スケジュール、住民登録証の写し、滞在予定表など)を提出する。取得には約4日間を要するなど手間がかかる。
 地元旅行代理店の担当者は、書類の準備で手間取り「楽しむことが旅行の目的なのに、書類用意に時間がかかると諦める観光客もいる」と指摘する。日本旅行経験のあるインドネシア人女性は「日本のビザ免除がすぐに決定されることを期待していただけに残念」と話した。
 在インドネシア日本大使館によると、13年のビザ発給件数は10万2千件で、毎年2万件ずつ増加している。

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