ジョクジャで防災整備 地震速報で被害軽減を 日イ産学が協力

 ムラピ山噴火など大規模災害を経験したジョクジャカルタ特別州が日本企業と連携し防災体制を整備している。地震速報装置を販売するチャレンジ(東京都台東区)はこのほど、同州防災対策局と覚書を締結し、速報装置を納入した。ジョクジャカルタで「地震大国日本」の培った防災技術に関心が高まる。
 チャレンジはジョクジャカルタ州政府やガジャマダ大と連携して、地震計を内蔵した「緊急地震速報受信機」を州内のモスクや学校といった公共施設やショッピングモール内に約20台ほど設置していく計画だ。
 地震の初期微動を感知した受信機と放送設備やスピーカーと連動させ、地震発生速報・震源地情報を広域に発信する。防災対策局にデータを集約するメインサーバーを設置し、地震到達時間や震度を予測しパソコンの画面上で詳細を表示することで被害の軽減が可能になる。インドネシア国内に2千〜3千台の設置を目指している。
 チャレンジの佐々木和男社長は「地震を数秒前に速報で知らせるだけで被害規模は違ってくる。大規模災害を経験したジョクジャカルタに効果の高い装置を取り入れてもらいインドネシア国内に普及させる」と強調する。
 このシステムではメインサーバーで地震規模を想定し受信機で避難指示を出すことが可能で、ガトット同州防災対策局長は「避難訓練も合わせることで、州民の防災意識の向上につながる。詳細な震度情報があれば救助にも活用できる」と話す。
 ジョクジャカルタでは2006年に中部ジャワ地震、10年のムラピ山噴火が発生。当時は危険地域や避難場所の情報提供が遅れ、混乱が生じた。
 このため、同州政府は州内の防災体制の構築に日本の技術を導入してきた。大阪大とガジャマダ大は被害状況を地図上で確認できるスマートフォンアプリを開発した。大阪大は今後、アプリをチャレンジの受信機やサーバーとも連動させ同州の防災体制を構築するという。
 多言語放送のコミュニティーラジオ局「FMわいわい」(神戸市長田区)もムラピ山麓のラジオ局運営を支援し、地元住民による火山情報発信や避難システムを構築している。(小塩航大)

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