ブロモ山入山料  8倍超 16年ぶり増額 東ジャワ観光業者ら抗議

 政府は5月1日から国立公園の入場料を­16年ぶりに値上げする。特に東ジャワ州のブロモ・テンゲル・スメル国立公園内にあるスメル山とブロモ山の入山料は最大で8.8倍に跳ね上がるため、地元の観光業者らは「多大な損害」と反発。政府に再考するよう抗議活動をしている。 
 2月にユドヨノ大統領が林業省の税外収入規定に関する政令に署名。これに国立公園の入場料の改正が盛り込まれており、インドネシア国籍を持つ人はこれまで入場料が1500〜2500ルピアだったのが5千〜2万ルピアに、外国人は15万〜25万ルピアになる。
 最も高額に設定されているブロモ山では、入山料は入場料のほか車のレンタル料やガイド料が加わるため、外国人の場合、平日、祝日の一律料金7万2500ルピアが平日は26万7500ルピアと4倍近くに、祝日は64万ルピアと8.8倍に上がる。インドネシア人の入山料も1万ルピアから平日3万7500ルピア、休日6万7500ルピアになる。
 ブロモ山は標高2392メートルの活火山。聖なる山といわれ、山麓に住むテングル人がヒンドゥー信仰を守り抜いている。未明に登山を開始し、ご来光を拝むツアーやトレッキングが人気だ。実際に引き上げられればブロモ山の観光業だけでなく、周辺の飲食業や、航空業界まで影響が大きく、観光業者は客が他地域やタイなど国外に流れてしまうことを懸念する。
 10日にはマラン市庁舎前で地元業者らが抗議活動した。インドネシア観光ツアー連盟のナニック東ジャワ支部長は「仮に政令が施行されれば、観光ツアーの販売をボイコットする」と話している。同連盟の調査では外国人観光客には200万〜300万ルピアほど値上げになってしまうという。2、3年前からの予約客もおり、キャンセルも予想される。同連盟や観光業界は再考を求めて、ユドヨノ大統領や林業相、財務相に書簡を送った。
 マリ観光創造経済相は12日、地元記者団に「インドネシアの購買力は上がっており、値上げで観光客が減ることはない」と主張。値上げによる増収は設備改修など公園整備に使用するので観光振興に貢献できるとしている。森林省の森林保護・環境保全局(PHKA)のソニー局長によると国立公園の整備には毎年100億〜200億ルピアが必要だが、毎年の収入は2億ルピアほどで「このままでは運営は立ちゆかなくなり、値上げは不可欠」と話している。(高橋佳久)

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