密集地の図書館披露 チキニでお茶会 千葉大生と地元住民

 中央ジャカルタ・チキニで千葉大の学生らが地域住民らと建設を進めていた図書館が22日、披露された。住居が密集する東南アジアの都市部の新しい建築モデルを作ろうと奮闘していた吉方祐樹さんや上田一樹さん、澤井源太さんら千葉大学の学生やチキニの住民らが集まったほか、住民に「日本のおもてなし」を知ってもらおうと石州流野村派家元の堀一孝氏を招き図書館で茶会を開いた。
 吉方さんらは千葉大学大学院で都市デザインを研究する岡部明子研究室に所属。図書館の建設は岡部准教授が参加する総合地球環境学研究所のプロジェクト「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」の一環で、ジャカルタの中でも特に住宅が密集するチキニの建築モデルを考案した。図書館は2階建で延べ床面積約25平米ほどと小さいが1階と2階を結ぶ吹き抜けを作り、壁を白く塗り光りを反射するようにするなど、密集地区で快適に過ごせる工夫が施されている。日本では建築賞「SDレビュー」を入賞した。
 茶会では堀氏が抹茶茶碗を持参。床には良品計画が提供した畳を敷き、国際交流基金からも茶器を借りるなどし、即興の茶室を設けた。図書館からはチキニを流れるチリウン川がよく見え、風がよく通る。茶室では床の間に掛け軸を用意するが、図書館から見える風景を楽しんでもらおうと、壁の開口部を掛け軸の代わりにした。
 現在はチキニの町中でも暗い路地を明るくする手法を実践しようと、インドネシア大学の学生らと協力し、細い街路の壁を白く塗るワークショップを開催している。27日までチキニのような住宅密集地区の未来のデザインも考える。
 図書館は10月半ば以降に窓やドアなどの建具を取り付け、地域の小学校やインドネシア大学から提供された本で、図書館として正式に開館する予定だ。(高橋佳久、写真も)

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