森林保全の映画撮影 大統領や林業相にインタビュー 米俳優ハリソン・フォード氏

 「スター・ウォーズ」「インディ・ジョーンズ」シリーズなどで知られる米俳優ハリソン・フォード氏(71)が、地球温暖化防止をテーマにしたドキュメンタリー映画の製作のためインドネシアを訪問している。約1週間の滞在中、カリマンタン島やスマトラ島で熱帯雨林の保全状況などを撮影。10日には中央ジャカルタの大統領官邸でユドヨノ大統領と面会し、インドネシアの森林保全政策などについてインタビューした。
 映画の仮題は「イヤーズ・オブ・リビング・デンジャラスリー」。中部カリマンタン州パランカラヤ郊外のニャル・メンテン・オランウータン・センターやリアウ州テソ・ニロ国立公園などを訪れ、森林火災や泥炭地の保護状況、アブラヤシ農園などについて取材した。
 地元メディアによると、フォード氏は中部カリマンタン州を訪れた理由として、同州の森林保全の取り組みを評価しているからだと説明。4日には同州のアグスティン・テラス・ナラン知事と会談した。
 ユドヨノ大統領との面談では、政府が実施する環境保護政策や現状を聞き取った。ジュリアン・パシャ大統領報道官によると、大統領はフォード氏に「環境保護に向けた取り組みは単独ではできず、多くの関係者の協力が必要だ」として活動に賛意を示した。「前向きな影響をもたらすため」として、大統領自身が映画に出演する意志があることも伝えたという。
 報道官は映画について「非営利目的であり、森林や環境保護、気候変動への対処に貢献することを意図したものだ」と説明し、インタビューも建設的な内容だったことを強調した。

■森林破壊を批判
 しかし、フォード氏の取材活動は穏便に進んだわけではなかった。大統領との面談に先立つ9日、インタビューを受けたズルキフリ・ハッサン林業相は直後の記者会見で「フォード氏は終始感情が高ぶっていた」と不快感を示した。
 林業相によるとフォード氏は面談で、国立公園内での森林破壊が進んでいることや違反者が処罰されていないことを批判。これに対して「違反者が合法的な営農に移行できるよう、段階的に改善策を取る方針を説明したが、理解してもらうのは難しかった」という。
 製作チームのプロデューサーのジェフ・ホロビィッツ氏は一部メディアに対し、確実な経済成長と熱帯雨林の保護とを両立させる難しさに着目して、インドネシアを撮影地に選んだことを説明し、「森林破壊を防ぐために政府が実施した最近の成果を見逃すつもりはない」と指摘している。
 映画にはアーノルド・シュワルツェネッガー氏やジェームズ・キャメロン氏も参加し、来年4月に米国でのテレビ放映を予定している。

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