スハルトの影ちらり 再配分、農村、パンチャシラ プラボウォのグリンドラ党 6指針を発表 (2013年07月24日)

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 次期大統領の有力候補と目されるプラボウォ・スビアント氏を最高顧問会議議長に担ぐグリンドラ党はこのほど、政策指針の「国民変革の6行動計画」を発表した。優柔不断とやゆされることが多いユドヨノ大統領と対比させ、「強い指導者像」で自身を売り込んできたプラボウォ氏。有権者の多くが居住する農村への所得再分配と国是「パンチャシラ」(国家5原則)教育強化をうたい、義父だった故スハルト大統領の影もちらつく。
 指針では、2019年までの次期大統領任期中に、1人当たり国内総生産(GDP)を3500ドルから6千ドルに引き上げ、貧困層を縮小させるなど経済成長の質の向上を図る。政府、民間が協力して雇用を拡大し、先進国に比べて低い税収のGDP比を16%以上に上げ、財政効率を改善するとうたう。国内の裾野産業育成、インフラ開発の加速のほか、国営企業を経済の自立に向けたけん引役にするというナショナリズム色の強い項目もある。
 経済における政府の役割を重視し、所得再分配に主眼を置く。公的マイクロクレジット機関の創設、低所得者向け安価住宅の供給、伝統市場の保護と近代化を列挙。貧困層向け無料医療など庶民の要望が強い医療サービスも強化を図る考えだ。
 食糧・エネルギーの自給を目指し、農村にてこを入れる。200万ヘクタールの新農地開拓。また農地のうち200万ヘクタールをバイオ燃料の原料作物に充て、1200万人の雇用を創出できると訴える。農家、漁師に利益のある食料品価格を保証し、同時に消費者も保護するとうたっている。
 汚職根絶を目指し、政府の統治力の改善にも取り組む。公務員の福祉向上や、官僚機構改革を進める。重要な役職の3割に女性を登用すると明記した。 
■入念に準備進める
 スハルト大統領さながらの強権を目指す徴候もみられる。パンチャシラに基づいた教育を強化し、教育カリキュラムを45年憲法とパンチャシラを志向するものに改定するとうたう。独裁を敷いたスハルト政権は、パンチャシラを翼賛体制を支えるイデオロギーとして利用し、イスラム国家主義者、共産党員、西欧民主主義者らを排除した。
 一方で、プラボウォ氏が政府の統治力回復のために必要と指摘してきた中央集権化の色は控えられている。インフラ開発をめぐる5番目の項目では、「インドネシア全地域でインフラを開発する」との表現が盛り込まれた。
 グリンドラ党はプラボウォ氏を09年大統領選に担ぐため08年2月に結党。政策方針は、昨年8月のシンガポールでの演説から一貫しており、同氏は09年の大統領選以来、入念に準備を進めているとみられる。
 同党は、6指針を記載した記事形式の広告を最大部数を誇る全国紙コンパスの電子版などのネットメディア、週刊誌「テンポ」などに22日から掲載した。

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