「再生可能エネ活用を」 消費増大で資源枯渇懸念 国家エネルギー委

 国家エネルギー会議(DEN)のハディ・プルノモ事務局長は11日、急速な経済成長と人口増大で国内の天然資源の消費量が増え、埋蔵量が減っている現状を踏まえ、再生可能エネルギーの活用により軸足を移していく必要があるとの見解を示した。外貨獲得の手段として資源輸出を積極的に進める政府の方針にも警鐘を鳴らした。地元メディアが報じた。

 現在、インドネシアのエネルギー消費の割合は、石油が44%、天然ガスが23%、石炭が27%、再生可能エネルギーが6%。DENの国家エネルギー政策計画では、2050年の種類別エネルギー利用について、30%が再生可能エネルギー、26%が石炭、24%が天然ガス、20%が石油と定めている。政策目標達成に向け、25年には全エネルギーに占める再生可能エネルギーの使用率を少なくとも23%にまで引き上げる必要があるとしている。
 経済成長と人口増によりエネルギー消費は50年の段階で現在の6倍の規模になると予想されているが、ハディ氏は、国内でバイオ燃料を製造し使用しようとする意識が低いと指摘。国民の大多数が石油資源国としての地位が続くと楽観視していることへの懸念も示した。
 国家経済委員会(KEN)委員で経済評論家のアフィリアニ氏は「政府が燃料補助金を出して、価格を抑制し続けると、再生可能エネルギーの開発の意欲を削いでしまう。市場価格に連動させれば、民間も化石燃料の代替として再生可能エネルギーの開発への関心を高めることになる」と話し、燃料補助金の全廃が不可欠と強調した。
 エネルギー鉱物資源省によると、09年時点で確認されている石油埋蔵量を1日当たりの消費量で割ると、12年に石油は枯渇し、潜在埋蔵量を合わせても22年で埋蔵量を消費するという。天然ガスの可採年数は約30年、石炭は約80年とみられている。
 英資源大手のBPの調査によると、11年末時点で確認されている地区別の石油埋蔵量で、アジア・太平洋地区の占める割合は世界最小の2.5%。インドネシアの確認埋蔵量は412億バレルで、世界の確認埋蔵量に占める割合は0.2%。可採年数は11.6年だった。(赤井俊文)

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