【じゃらんじゃらん特集】 戦いを刻む英雄塔 スラバヤのトゥグ・パラワン

 東ジャワ州スラバヤで市街戦をたたかった英雄(パラワン)たちをたたえ、そびえ立つ記念塔が「トゥグ・パラワン」。州庁舎などが並ぶスラバヤ市街のランドマークでもある。
 1945年11月10日。日本軍の降伏後、再占領を目論むオランダ軍やイギリスなど連合軍を撃退したスラバヤの戦い。この記憶を伝えるため、トゥグ・パラワンはスカルノ政権下の1952年に完成した。敷地内には2階建ての博物館があり、日本軍政期から独立までの歴史的資料を展示している。
 入館してまず目に入るのが記念碑。「ムルデカ・アタウ・マティ(独立か死か)」の赤文字に向かって、兵士たちが倒れかかっている。激しい銃撃戦を展開した当時のスラバヤ市民たちの勇姿を刻んでいる。
 1階にはスカルノ時代の地下基地の様子を表したマネキンのジオラマが設置されるなど独立当時の雰囲気をしのばせる。
 2階には当時使われた銃や写真を展示。オランダ時代に建てられ、植民地主義の象徴だった現ホテル・マジャパヒト(当時は大和ホテル)のオランダ国旗を若者が引き裂き、メラプティ(紅白旗)に付け替えたジオラマなども並ぶ。
 イギリスの軍人で連合国軍としてスラバヤに進駐し、戦死したマラビー将軍の写真もスラバヤの戦いのエピソードを現在に伝える。ガイドのマルズキさん(22)によると、連合国軍側が「将軍を殺害したインドネシア人を差し出さなければ攻撃する」と要求したが、スラバヤの若者たちは拒否。「外国に植民地化されるなら死んだ方がましだ」と返答したという。(赤井俊文、写真も)

※追記(2013年6月7日)
 本文、マラビー将軍を「オランダの軍人」から「イギリスの軍人」に訂正します。

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