駅の商店撤去に抵抗 店主ら国鉄職員と衝突 西ジャカルタ・ドゥリ駅

 27日午前8時半ごろ、西ジャカルタ・タンボラのドゥリ駅で、商店を取り壊そうとする国鉄の警備員とそれに反対する商店主が衝突した。投石した商店主や地元住民に対し、警察は催涙ガスで鎮静化を図った。現場には国鉄に雇われたとみられるプレマン(チンピラ)がいたとの証言があり、プレマンが故意に衝突をあおった可能性もある。
 商店主や学生ら約200人は午前6時から、ドゥリ駅前に集結、取り壊しに抗議した。デモに参加する国立イスラム大(UIN)のフェルディアント・ラムダニさん(20)は「(国鉄が)解決策を示さなくていいのか。今まで商売を続けてきた人に『はい、さようなら』では済まない」と訴えた。
 警備員と警察官、海兵隊が見守ったが午前8時20分ごろ、にらみ合いのこう着状態が一変した。何者かが動物のふんを国鉄職員に投げつけ、殴り合いと投石が始まった。催涙ガスで駅から締め出された商店主は散り散りになった。群衆は線路を占拠し、電車の窓ガラスを割って暴れた。
 南ジャカルタ・テベットで自身も店を取り壊されたという自営業ダフィド・ラフマディアさん(32)は衝突を激化させたのは国鉄から雇われた「プレマン」と指摘する。法律擁護協会(LBH)のハンディカ・フェブリアン弁護士は「商店主が暴れた」という構図を作ることで、国鉄が取り壊しを正当化しようとしていると分析した。
 この衝突で少なくとも10人の警備員が投石を受けて負傷。国鉄はドゥリ駅の線路を閉鎖し、列車の運行を休止させた。バンテン州タンゲラン駅発西ジャカルタ・コタ駅行きの列車が引き返すなどの影響が出た。
 国鉄は27日、176軒の商店を強制的に壊した。商店主のママンさん(45)は「取り壊しには反対したが、国鉄の方針はすでに決まっていた。どうしろというのか」と肩を落とした。駅の整備を進める国鉄は昨年11月から、首都圏で3千以上の商店を取り壊した。(上松亮介、写真も)

社会 の最新記事

関連記事

本日の紙面

JJC

人気連載

天皇皇后両陛下インドネシアご訪問NEW

ぶらり  インドネシアNEW

有料版PDFNEW

「探訪」

トップ インタビュー

モナスにそよぐ風

今日は心の日曜日

インドネシア人記者の目

HALO-HALOフィリピン

別刷り特集

忘れ得ぬ人々

スナン・スナン

お知らせ

JJC理事会

修郎先生の事件簿

これで納得税務相談

不思議インドネシア

おすすめ観光情報

為替経済Weekly